「KLM」に続く浦和の新ユニット「KAN」が新機軸に

浦和レッズの青木拓矢(左)、柏木陽介(中)、長澤和輝(右)。写真:徳原隆元/(C)Takamoto TOKUHARA

きっかけはイニエスタ。徹底して対策を練ってくる仙台戦で真価が問われる。

[J1 29節] 仙台 – 浦和/2018年10月7日13:05/ユアテックスタジアム仙台

 浦和レッズが10月7日、アウェーでベガルタ仙台と対戦する。両チームは勝点41で並んでいて、得失点差で浦和が6位、仙台が8位。ACL出場権獲得の可能性がある4位以内、さらに出場圏枠の3位に食い込むためにも、ライバルを叩き勝点3を狙いたいところ。浦和は4連勝を目指す。仙台は2連敗を止められるか。

 浦和が最近2試合採用しているのが、柏木陽介、青木拓矢、長澤和輝と3人のセンターハーフを中盤に並べた新機軸だ。9試合6得点と得点を重ねていたファブリシオの負傷離脱、そして柏木の負傷からの復帰に伴い、オズワルド・オリヴェイラ監督が決断した。

 ヴィッセル神戸戦(〇4-0)では、アンドレス・イニエスタの出場を見込み、3人がセンターを固める3ボランチ気味になり、新司令塔に自由を与えさせないという意図もあり組まれた。

 結果的にイニエスタは出場しなかった。ただ、青木がリベロ的にバランスを取りながらミドルをねじ込み、柏木はそのフォローを受けてビルドアップや前線へのパサー役をメインに仕事に集中。そして長澤は攻撃参加を繰り出し、今季初ゴールを決める。日本代表クラス(青木も日本代表候補に招集経験あり)の3人が能力を発揮し合い、数多くの見せ場を作った。

 青木は「それぞれの距離間がとても良かった」、長澤は「それぞれのプレーを理解し合えているので、特長を引き出し合えた」。そのなかで柏木から興梠への「今季一番のアシスト」も飛び出した。

 3人の連動性は続く柏レイソル戦(〇3-2)でさらに高まり、「試合の流れのなかで、それぞれが臨機応変にも対応できているのが、今のいいところでもある」と柏木が言うように、1ボランチ、2ボランチ、3ボランチ……戦況に応じて中盤の枚数を変化させながら、攻撃に厚みをもたらしていった。

 そのなかで長澤は「運動量は増えるが、柏木選手から縦パスが(興梠慎三や武藤雄樹に入れば)前線に入ったとき、攻撃に厚みを加えていこうと狙っている」という攻撃参加から、2試合連続のゴールを決めてみせた。

 一方で、2失点したこともあり青木は「ちょっと前掛かりに行ってしまった」と反省も忘れていなかった。

「動きのところは、3人で良く声を掛け合っています。それは試合前からしていて、スムーズにできています。そのなかで自分自身のせいで苦しくしてしまったかなとは思いました。僕の位置取りも悪くて、ちょっと反省材料です」

 彼はそのように振り返っていた。逆に勝ったなかで、課題が見えたのも収穫と言っていいだろう。

 そしてオリヴェイラ監督は試合後の記者会見で、「私は選手に『ボランチ』などひとつのレッテルを貼らず、ひとりのプレーヤーとして見ています。長澤は攻撃的な選手でもある。もちろん守備の役割も求める。ケガからコンディションを戻してきただけに、そのいずれの能力も発揮していってほしい」と期待を語っていた。

 それは全員に言えることであり、とりわけ、青木、柏木にも強く当てはまる。守備を疎かにせず、シチュエーションに応じて、思い切って攻撃を繰り出す――。そのようにして青木のミドル、柏木のラストパス、長澤の飛び出し、とそれぞれが持ち味を発揮している。

 7日に対戦する仙台は、徹底して対戦相手のスカウティングをしてくる。果たして、3ボランチ対策をどのように施してくるのか。浦和にとっては、最近2試合とは状況が異なる。再び3人が揃って先発した場合、前線の「KLM」(興梠、李忠成、武藤)に続く浦和の新ユニット「KAN」(柏木、青木、長澤)の真価が試される一戦になるだろう。

 この試合のあとは国際Aマッチ期間の中断期間に突入する。その後は、鹿島アントラーズ、ガンバ大阪とのリーグ戦のホーム連戦も控える(その間に天皇杯のサガン鳥栖戦も)。連勝の勢いを維持していきたいところ。

 最後に勝つのは、きっと浦和の「KAN」だ!

文:サカノワ編集グループ

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