パリ五輪金メダル角田夏実が第一線から引退、その理由とは?「柔道を嫌いになりたくなかった」「道場を開き、楽しさを伝えたい」
パリ五輪での角田夏実。写真:YUTAKA/アフロスポーツ
「人生は一度きり。悩んで悩んで出した決断です」
柔道女子48キロ級パリ・オリンピック金メダリストの角田夏実(Natsumi TSUNODA)が1月30日、自身のYouTubeチャンネルで第一線から引退すると発表した。
角田は動画のなかで、「オリンピックでたくさんの方に応援してもらい、あの結果を出すことができて、本当に続けてきてよかったと思いました」と感謝を述べた。その一方で、優勝後にゴールドゼッケンをつけて臨んだ試合を区切りに、自問自答を続ていたなか引退を決断したと明かした。
決断の背景には、身体面と精神面の両方での葛藤があったという。「今でも柔道はしたい。でも、試合に出るからには勝ちたいし、覚悟を持って臨みたい。今の自分には、そこまでやり切れる自信がなかった」と率直な胸の内を語った。
大きかった理由として挙げたのが、「柔道を嫌いになりたくなかった」という想い。後輩との練習のなかで、以前のようにただ勝利のみを追求していた時と異なり、相手の成長や強さを素直に認める自分に気づき、「競技者として前に立つより、支える側に回る気持ちが強くなっていた」と言う。
両親やコーチも、角田の決断を尊重したという。過酷な減量や故障を乗り越えてきた姿を間近で見てきたからこそ、「次の目標があるなら応援する」と背中を押された。
今後について角田は、「道場を開きたい」という明確なビジョンを描いている。トップ選手の育成だけでなく、「柔道の楽しさを伝えたい。身体や心を鍛えることを、楽しみながら知ってもらえたら」と語り、柔道の普及や指導への意欲を示した。
「人生は一度きり。悩んで悩んで出した決断です」
そう話す角田が、フランスの華やかで楽しく面白い“JUDO”を見せ付けられたなか、日本の柔道界にとってのキーパーソンになっていきそうだ。




