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アリサ・リュウの“ラスカル・ヘア”に刻まれた苦悩と決意「人生は自分で決める」坂本花織、中井亜美に逆転で金メダル【ミラノ五輪│フィギュアスケート女子個人】

ミラノ・コルティナ五輪のフィギュアスケート女子シングルで金メダルを獲得したアリサ・リュウ。写真:Imagn/ロイター/アフロ

16歳で五輪デビューしたあと一度引退。「誰かのキャンバス」や「操り人形」のように感じて

 ミラノ・コルティナ2026冬季オリンピックは日本時間2月20日、フィギュアスケート女子シングル・フリーが行われ、SP3位のアメリカ代表アリサ・リュウ(Alysa LIU)が合計226.79点で逆転し、金メダルに輝いた。日本勢は、坂本花織(Kaori SAKAMOTO)が銀、中井亜美(Ami NAKAI)が銅を獲得。

 圧巻の滑りで魅了したリュウだが、その個性的なヘアスタイルでも観るものにインパクトを残した。アメリカメディアによると、この特徴的なシマシマ模様の“ラスカル・ヘア”は、単なるファッションではないという。

 国際舞台へのデビュー当初の彼女は、周囲に決められた衣装を着て、決められた曲で滑る自分を「誰かのキャンバス」や「操り人形」のように感じ、2022年に16歳の若さで北京五輪に登場したあと、一度電撃引退した。

 2シーズンを経て2024年に復帰した彼女にとって、この髪型は自分の人生の主導権を自分自身で取り戻す、という強い決意の象徴でもある。 このスタイルは木の「年輪」のように、徐々にストライプを増やしてきたそうだ。

 この五輪前には、セントルイスの美容院に依頼。理想の色を出すために5時間に及ぶ施術と複数回のブリーチを要した。地毛が暗い色のため、維持するための手入れもかなり大変だという。

 しかしリュウはこの髪型にすることで「自分自身に対する自信が高まる」と明かしている。 「アライグマのような縞々(ラクーン・ストライプス)」を目指したという遊び心溢れるエピソードもあり、伝統を重んじてきたフィギュア界で、あえて新たな自分自身を貫く姿勢が、今回の“攻め”のスケートにも表現され、より多くのファンを魅了した。

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 圧巻の演技で世界の頂点に立った。リュウの髪に刻まれた“年輪”は、苦悩を乗り越え、自分らしくリンクに戻ってきた彼女の揺るぎない決意と覚悟、そして辿り着いた「人生を楽しむ」という境地を示す証しでもあった。