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北川航也、立田悠悟に続け!「清水のDNA」滝裕太が突き抜けたインドネシアでの一撃

U-19サウジアラビア戦に先発出場した、U-19日本代表の滝裕太。(C)AFC

チームメイトも癒した滝スマイルで、今後は清水サポーターを魅了したい。

 U-19日本代表の滝裕太(清水エスパルス)はインドネシアU-19アジア選手権グループステージ2節のタイ戦(〇3-1)、10分、久保建英(横浜F・マリノス)のクロスを後方へサイドで流し込む技ありのシュートで貴重な先制点をもたらした。その後も4-4-2の左MFとして献身的にアップダウンして主導権を握ったまま、チームに勝利をもたらした。

「(初戦の北朝鮮戦に出場できず)悔しい想いをピッチで表現していきたい。そこは思い切って、できました」

 このタイ戦を控えた練習のあと、滝はそのように語っていた。トレーニングから新たな戦いは始まっている、と。

 齊藤未月(湘南ベルマーレ)に続いて小柄な167センチの滝がチームで最も長身な192センチの三國ケネディエブス(青森山田高校)と二人一組で練習していた。

「本当、見習うところがたくさんあります。(年下の高校生だが?)ヘディングの上手さはさすがです。なるほどと思わされて、僕はあまりヘディングが上手くないので、そういうところは貪欲に吸収していきます」

 滝がニコッと笑う。U-19アジア選手権の期間中、チームメイトをも癒してきた滝スマイルだ。

 インドネシアへ出発する際、清水エスパルスのチームメイトからは「経験できない舞台、思い切りやってこい!」と送り出されたという。「だからこそ、チャンスをもらったら、思い切り、自分の良さを出していきたい。得意なドリブルでチームに貢献できるように。まず日本のために一生懸命頑張る。そのうえで個人の結果を残せたら最高ですね。まずチームが第一です」と、強い覚悟を示していた。

 清水のチームメイトである、日本代表に選ばれた北川航也、U-21日本代表の立田悠悟、彼らの活躍ぶりもまた刺激になっている。それだけに滝も続きたいところだ。

「航也くん、悠悟と、どんどん代表レベルで活躍している。二人ともエスパルスのジュニアユース、ユース出身という点が共通しているので、早く追い付き、追い越せるようにしたい。それに代表デビュー戦でも、航也くんはしっかり結果を残していました。自分を上手く表現できていたと思いますので、僕もそういうところは見習っていきたいです」

 タイ戦ではまさにそんな理想とも言える個の能力をチームに還元し、勝利をもたらした。一方、続いて先発に起用された準決勝のサウジアラビア戦(●0-2)は、思うようにチャンスを作れず、シュートゼロ本に終わってしまった。パフォーマンスも対照的な2試合だった。

 今シーズン、滝はまだリーグ戦で出場機会を得られずにいる。アタッカー陣の選手層は厚く、チームも再び調子を上げてきているなか(最近4試合3勝1分)、滝のその思い切ったアタックでポジション争いにも切れ込んでいきたい。その爽やかな笑顔で清水サポーターを魅了する日はきっと近いはずだ。

取材・文:塚越始
text by Hajime TSUKAKOSHI

Posted by 塚越始

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