清水MF滝裕太がU-20日本代表から涙の離脱「W杯に懸けていた強い想いが伝わってきた」
昨年のU-19アジア選手権のイラク戦でゴールを決めた滝裕太。(C)AFC
出発直前、ケガの状態が思わしくなく…。
U-20日本代表が5月13日、ポーランドU-20ワールドカップ(W杯)を控えた国内合宿で流通経済大と練習試合を行い5-0の勝利を収めた。しかし、この日の午前中、前日から帯同していた清水エスパルスの滝裕太がドクターの診断を受けた結果、状態が思わしくなくチームから離脱することが決定。FC東京の原大智が追加収集された。
チームを離れる際、滝は涙を浮かべて、U-20代表の選手たちに「自分の分まで頑張ってきてほしい」と伝えたという。
その時の様子を、影山雅永監督は次のように語った。
「今日の午前中まで、滝選手はいました。しかし、検査の結果、ケガが見つかりました。最後、大会に臨む選手たちが揃ったなかで、彼は涙ながらに、自分の分まで頑張ってきてくれ、とあいさつがありました」
昨年のU-19アジア選手権ではチームメイトとして一緒に戦った同い年の山田康太は、その滝の姿を見て改めて決意を強めた。
「今朝、滝からの別れの話を聞いた時、この大会に懸けていた強い想いが伝わってきました。今回選ばれなかった選手もいて、そのなかで自分がここにいるからには、その想いを背負って出発したいです。みんながいて、今がある。みんなが応援してくれるような姿勢を示していきます」
影山監督もまた、この世代の”日本代表”としてW杯に臨むのだという抱負を改めて語った。
「彼のみならず、ケガなどいろいろな理由で、この大会に行きたくても行けなかった選手たちのためにも、我々選ばれたメンバ―とスタッフで、彼らの応援に応えられるように頑張らないといけないと思います」
そして追加収集された原は、さっそく流通経済大戦の後半に出場。ウイングやセンターフォワードとしてチャンスを作り出して勝利に貢献した。影山監督も、その能力の高さを評価する。
「原はある意味、このチームの常連として集まってきていたので、急きょ呼ばれてもすんなり入ることができました。すぐ選手たちといろんなことを話し合い、ピッチの上に立つまで問題なく、素晴らしい準備をしてくれました」
このチームで元気のよい声を飛ばしていた久保建英、安部裕葵、橋岡大樹、大迫敬介らが不在。さまざまな条件下で選ばれし23人のU-20日本代表の選手たちが、日の丸を胸にポーランドを舞台に戦う。U-20W杯初戦は、5月23日の南米王者U-20エクアドル代表戦だ――。
◇ポーランドU-20W杯
U-20日本代表の日程
※現地時間
5月23日(木) GS第1戦 vs U-20エクアドル代表
5月26日(日) GS第2戦 vs U-20メキシコ代表
5月29日(水) GS第3戦 vs U-20イタリア代表
6月2日 (日) ~ 4日(火) ラウンド16
6月7日 (金) ~ 8日(土) 準々決勝
6月11日(火) 準決勝
6月14日(金) 3位決定戦
6月15日(土) 決勝
取材・文:塚越始
text by Hajime TSUKAKOSHI