いざ出陣!福岡の三國ケネディエブスがU-20W杯の舞台へ「バチバチやる」
練習するU-20日本代表の三國ケネディエブス。写真:松尾祐希/(C)Yuki MATSUO
出場すれば、セリエAで5ゴールを奪うFWと「楽しみな」対戦。
[ポーランドU-20W杯 GS3節] 日本 – イタリア/2019年5月29日(日本時間30日1:00)/ビドゴシュチ
U-20ワールドカップ(W杯)に参戦中のU-20日本代表は、5月29日(日本時間30日1時)にグループステージの最終戦でU-20イタリア代表と対戦する。
1勝1分でイタリアとの最終戦を戦う日本は、引き分け以上でグループステージ突破を自力で決められる。敗戦した場合でも、U-20エクアドル代表がU-20メキシコ代表戦で引き分け以下に終わるか、勝利の場合でも得失点差で上回らなければ、2位が確定。仮に3位になったとしても、各組3位の上位4チームに入れれば、勝ち抜けが決まる。優位な状況でラストゲームを迎えられる。
試合前日のトレーニングには18人が参加。藤本寛也(東京ヴェルディ)、郷家友太(ヴィッセル神戸)、宮代大聖(川崎フロンターレ)が疲労を考慮して不参加となった。この日の練習は冒頭15分後は非公開としたため、選手たちの様子を伺うことはできなかった。ただ、明るい表情でトレーニングに励む様子が見て取れた。
イタリア戦はこれまで出場機会を得られずにいた選手たちが、ピッチに立つ可能性が高い。そこで活躍が期待される一人が三國ケネディエブス(アビスパ福岡)だ。
192センチの大型CBは、今季福岡で高卒ルーキーながらレギュラーポジションを獲得。充実の1年目を過ごし、このU-20W杯に乗り込んできた。
だが、チームの立ち位置とは裏腹に今大会はCBの3番手で、2戦目までは出場機会を得られていない。チームメイトをバックアップし、影からチームを支える役割に従事してきた。とはいえ、指を加えて、試合を見てきたわけではない。
「(U-20W杯の選手たちは)ボールを奪われたあとの切り替えのスピードが速い。だから(自分が)奪えたあとにモタモタしていると、潰されてしまう」と、出場した際にどう対応すべきかを熟考する。またイタリアについても映像でチェックし、「5バック気味でやっていて、守備が堅い。だけど、日本のテンポの良いパスサッカーで崩せると思う」とイメージを膨らませる。
三國が出場した場合、マッチアップする可能性が高いのがアンドレア・ピナモンティ(フロジノーネ)。もちろん真っ向勝負を挑む。
今季セリエAで5ゴールを奪っている注目FWを抑えられれば、自らの株を上げるきっかけになる。「相手は身長も大きいので、バチバチやり合えると思う。いい相手だし、試合に出られれば、負けないようしたい」と、三国も気合十分だ。
U-17世代ではU−16アジア選手権の1次予選に出場したものの、U-17W杯には出場できなかった。今回は自らの実力で掴んだチャンスであり舞台。
そして福岡で鍛錬を積んできた。不安は一切ない。
「世界のレベルを味わえる。そこで自分がどれだけやれるのか。結構、自分も楽しみなので、強い相手とバチバチやりたい」
青森山田高時代から将来を嘱望されてきた怪物CBが、待ち侘びたピッチに立つ。
取材・文:松尾祐希(フリーライター)