【千葉】肩を落とすチームメイトを鼓舞する姿――増嶋竜也の新たな挑戦が始まる
前線にパスを放つ増嶋。写真:徳原隆元/(C)Takamoto TOKUHARA
「チームを落ち着かせることが役割になる」
柏レイソル、ベガルタ仙台、そしてジェフユナイテッド市原・千葉へ――。それぞれ趣きは異なるが、2011年以来、黄色のユニフォームを着続けてきた。「似合います? まだ違和感がありますよ」と、増嶋竜也は笑う。
2月3日の柏レイソルとのちば銀カップ。柏に3失点目を決められた直後だった。肩を落とすチームメイトを見て、最終ラインから手を叩いて声を張り上げ鼓舞する、新たな背番号5の姿があった。
増嶋は振り返る。
「選手がちょうど入れ替わり、ここからだというときに失点してしまい、全体的に元気がなくなってしまったから。ああいった状況のときに落ちないようにすること、そこも自分の役割としてやっていきたいです」
32歳とチーム内では年長組になる。「後ろにドゥさん(近藤直也、34歳)もいるので、流れが悪いなっていうときにこそ、一緒に後ろから建て直していきたいです」と、柏の黄金期を支えたCBコンビで守備再建を図りたいと考える。苦しいときこそ――チーム全体を統率し、周りを生かしながら、反撃態勢を整える。増嶋が狙う戦い方だ。
「自分としてはそこまで悲観するような内容ではなかっただけに、2点、3点取られないように落ち着かせられれば良かった」と反省点を挙げていたが、「開幕に向けて、ここからですよ」と前を向いた。
2009年以来10年ぶりのJ1復帰へ――。チームが苦しい状況に置かれたとき、サッカー人生の中であらゆる困難に立ち向かってきた増嶋の頭脳や読み、そして変わらぬ闘争心が不可欠になるはずだ。あとは、ここから突き進むだけ。千葉と増嶋の2018シーズンが始まる。
取材・文:塚越始
text by Hajime TSUKAKOSHI