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レアル・マドリーの困惑。仮に久保建英が再レンタルされるならば、ヘタフェが最も可能性があるが…

久保建英。写真:徳原隆元/(C)Takamoto TOKUHARA

スペイン国内で、ビジャレアルと同じ条件を満たせるクラブは限られる。一方、国外は――。

 スペインメディア『アス』は12月24日、「レアル・マドリード、ビジャレアルでの久保のジレンマ」と題したレポートで、久保建英、保有元のレアル・マドリード、そして所属先のビジャレアルCF――それぞれの立場で起きている“ねじれ=ジレンマ”について検証している。

 久保はヨーロッパリーグ(EL)ではグループステージ(GS)の全5試合(1試合は中止決定)で先発し、1得点・3アシストを記録して1位突破に貢献。一方、スペインリーグでは13試合に出場しているものの先発は2試合と限られ、得点には絡めず。最近2試合続けてベンチで過ごしている。

 久保自身はあくまでもビジャレアルで戦い、この状況を打開する覚悟だという。しかしビセンテ・イボーラの負傷離脱後、ビジャレアルのウナイ・エメリ監督はより現実的な戦い方を選択。1月の移籍市場で久保を放出して、EU外枠を一つ空けるのではないか――という憶測も流れている。

 19歳の日本代表レフティはそれでも現在を学ぶ機会と捉える。とはいえ、最も力を発揮できる右サイドでは出場が限られるだろうと、このレポートでは指摘する。そして久保が当初試されてきた左サイドで、18歳の新鋭ジェレミ・ピノが、久保に求められていたような攻撃にスイッチを入れる役割を担っている。

 一方、レアル・マドリードは、現状では久保の成長につながらないと歯噛みする。当初はビジャレアルがチャンピオンズリーグ(CL)の出場権を獲得するというプランを理解し、久保のレンタルに同意した。両クラブの関係も「友好的」だったが、話が違うのでは……とやや雲行きが怪しくなっている。

 そして今回のレポートでは、「もしも(1月の移籍市場で)久保がビジャレアルを去ることを余儀なくされた場合」についても触れている。久保とレアル・マドリードは国外ではなく、あくまでもスペインでのプレーを最優先したい意向であるという。

 ただし、レアル・マドリードに一旦復帰し再レンタルされる場合、ビジャレアルと同じ条件を飲めるクラブ(久保のサラリーとレンタルフィーで年間総額500万ユーロ[約6億3000万円]とも600万ユーロ[約7億6000万円]とも言われる。そのおよそ半分=残り5か月分)は、スペインであれば限られる。加えて7位グラナダCFなど好調なチームはEU外枠が埋まっている。最も可能性があるのが12位のヘタフェCFだ。しかし、であれば久保はビジャレアルに留まりたがるだろう……と推測している。今後「スペイン国外」も選択肢に加わってくるのか――。

 公式戦18試合負けなしの4位ビジャレアル(6勝8分1敗)は、12月29日(日本時間30日1時)から6位セビージャFCと対戦する。

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[文:サカノワ編集グループ]