【天皇杯】川崎2冠達成!中村憲剛との別れに大島僚太が会見で涙「全てを教わった」
天皇杯決勝、G大阪戦に先発出場して優勝に導いた大島僚太。写真:徳原隆元/(C)Takamoto TOKUHARA
「改めて大島選手にとって“中村憲剛”という存在は?」と聞かれると――。
[天皇杯 決勝] 川崎 1-0 G大阪/2020年1月1日14:40/国立競技場
川崎フロンターレが大卒ルーキー三笘薫のゴールを守り切り、1-0でガンバ大阪に勝利を収めて初優勝を果たした。J1リーグとの2冠を達成。この試合が現役ラストマッチだった川崎のバンディエラ中村憲剛は出場機会を得られなかった。
試合後の記者会見で、川崎の大島僚太が涙を浮かべるシーンがあった。
この日は4-3-3のインサイドハーフで89分までプレー。決勝点の起点となってレアンドロ・ダミアンにつないで、そこから三笘薫のゴールをもたらした。攻撃面のみならず守備でもプレッシングが効いていて、川崎優勢のペースを常に保ち続けた。
すると「改めて大島選手にとって“中村憲剛”という存在は?」と聞かれると、フロンターレの10番は「本当に……」と語り始めると少し間をおく。ともに戦ってきた日々を振り返り、その現実を受け入れるように、両目に涙を浮かべながら続けた。
「いなくなることが、信じられないと言えば、信じられないし……。それぐらい一緒にプレーしている間に、たくさんのことを教えてもらいました」
大島は目を拭いながら、一言ずつ言葉をつむいでいった。
「あれだけ、愛されるサッカー選手は、なかなかいないと思います。今後も憲剛さんのことを思い出すと悲しくなるのかもしれません」
大島は話しながら、気持ちを整理していく。
「ただ、憲剛さんが次のステージに進むと胸を張っておっしゃっていたので、そこに僕が二言することはできないですし、自分自身、今後負ければ『憲剛さんが……』と言われることもあるのかなと思います。そこは何クソと思って、自分が引っ張っていく覚悟を持って戦っていきたいです」
“何クソ”と言ったあたりで、大島は笑顔も浮かべていた。
「憲剛さんには感謝しかありません。どういう存在かと言われると難しいです。全てを教えてもらった。サッカーだけではなく、本当に感謝しています」
俺がやるんだ――という覚悟も伝わってきた。川崎の攻撃を牽引するナンバー10はそのように大先輩への思いの丈を語り、2020シーズンにピリオドを打ち、2021年の未知なる戦いへと前を向いた。
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[文:サカノワ編集グループ]