なでしこ熊谷紗希が涙で語った「日本の女子サッカーの課題」
スウェーデン戦後、ベンチで呆然とする日本のキャプテン熊谷紗希。写真:早草紀子/(C)Noriko HAYAKUSA
2019年の女子W杯から立ち位置変わらず「これが今の世界との本当の差かなと感じています」
[東京五輪 準々決勝] 日本女子代表 1–3 スウェーデン女子代表/2021年7月30日/埼玉スタジアム2002
東京オリンピック・サッカー女子の準々決勝、なでしこジャパン(日本女子代表)は1-3でスウェーデン女子代表に敗れ、メダル獲得はならなかった。キャプテンとしてチームをまとめてきた、DF熊谷紗希(バイエルン・ミュンヘン)は試合後の記者会見で、次のように1年遅れのTOKYO2020を振り返った。
「今大会、グループリーグから厳しい戦いが続くなか、チームとしてやれることはぶつけたつもりでいます。ただ2019年のフランス・ワールドカップの負け方と今日の負け方を考えた時、自分たちが上手く支配できて、相手の嫌なプレーができていたのか、怖いプレーができていたのか、結果を残せたかというと……、やはり、これが今の世界との本当の差かなと感じています」
すると熊谷は涙を浮かべて、続けた。
「これから世界で勝っていくために……何をしていかなければいけないのか。もう一回考えるべきであり、上手いだけで勝てる相手はなく、自分たちのウィークな部分をどれだけ戦えるまでにしていけるかが、日本の女子サッカーの課題だと思います」
そして2011年の女子ワールドカップ(W杯)優勝メンバーであるが、なでしこジャパンの夢をつなぎ切れなかったと悔やむ。
「日本開催で多くの人に見てもらえたと思いますし、もっと高いところに行き、なでしこジャパンを目指す子たちに夢を与えたかったので、ここで終わってしまうのは残念で仕方ありません。
こうした状況のなか、この大会を開催できたことに感謝しています。ここ(ベスト8)で終わった原因を、これからまだまだ続く日本の女子サッカーのためにも追及していかなければいけないのかなと思います」
そのように敗退が決まった直後、日本女子サッカーを支え、同時にけん引してきたトップランナーである熊谷は訴えかけていた。
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[文:サカノワ編集グループ]