【THE SCENE】なでしこジャパン、アジア女王の歓喜。川澄は控えめに…
アジアカップ連覇を果たしたなでしこジャパン。写真:早草紀子/(C)Noriko HAYAKUSA
宇津木瑠美は後ろの選手に気遣い?
なでしこジャパン(日本女子代表)がヨルダンの地で、アジアカップ連覇を達成した。来年フランスで開催されるFIFA女子ワールドカップの8大会連続となる出場権も獲得。2020年の東京五輪に向けて、新生なでしこが大きな一歩を踏み出した。
10でオーストラリアに勝利を収めた決勝戦のあとのセレモニー。優勝トロフィーを受け取ったキャプテンの熊谷紗季を中心に、歓喜の輪が出来上がった。高倉麻子監督をはじめスタッフを含め、全員が、笑顔、笑顔、笑顔……。
若い選手が多く、こうした国際大会の表彰式にはやや不慣れ(世界を見ても慣れている選手が多いとは言えないが)なようで、やや表情の固い選手も見られる。
そのなかで、2011年のワールドカップ・ドイツ大会優勝メンバーでもある宇津木瑠美は顔のすぐ横で左手を開いて小さく歓喜。思い切り手を挙げてしまうと後方や横の選手の顔に手がかかってしまうこともあり、そこはベテランの配慮か。
そしてアメリカから緊急招集された川澄奈穂美は後方の一番端で笑みをたたえている。フィジカル重視のオーストラリアとの試合では出場機会が訪れなかったが、今大会は5試合中3試合に出場して貢献。若い選手の多いなでしこジャパンに足りなかった”何か”をもたらしてくれたのは紛れもない事実だ。アジア女王になるための、日本にとっての貴重なラストピース。このセレモニーでの彼女の”ポジション”からもそんな存在が感じ取れる。
文:サカノワ編集グループ