【パリ五輪】ニューヒロイン谷川萌々子の衝撃、「武器を出して得点につなげてくれた」
谷川萌々子(右)が決めた! 左は長谷川唯。写真:早草紀子(C)Noriko HAYAKUSA
池田監督が語った19歳のポテンシャルとは?
[パリ 五輪 GS C組 第1戦]日本女子代表 2–1 ブラジル女子代表/2024年7月28日24:00(現地17:00)/パルク・デ・プランス
サッカー日本女子代表(なでしこジャパン)の谷川萌々子(FCローゼンゴード)が0-1とリードされた試合終盤に投入されると、後半アディショナルタイムにPK獲得と衝撃のスーパーループ弾を決める活躍を見せ、チームはブラジル女子代表に2-1と劇的な大逆転勝利を収めた。
5月で19歳になったミッドフィルダーは、そのスケールの大きさが高く評価されてきた。2022年にU-17女子ワールドカップ(W杯)に出場し、翌年には代表入り。中国アジア大会の日本女子代表に抜擢され、高校生ながら5試合・5得点を記録し優勝に大きく貢献した。そこからなでしこジャパンでも起用されるようになり、この五輪も食い込んだ。
ただパリ五輪では負傷を抱えていたため、ここまで慎重にコンディションを整えてきた。
そしてこの日、試合終盤の80分に交代出場のチャンスを掴むと、積極果敢なドリブルからハンドのファウルでPKを獲得(熊谷紗希が決める)。そして90+4分、清家貴子の仕掛けからこぼれたボールを、鮮やかなループ弾で仕留め逆転に成功した。
日本の池田太監督は試合後、谷川投入のタイミングについて「(残すのは)交代機会の(最後の)3回目になるので、アクシデントがあった場合など色々なことをギリギリのところで、1枚入れるか、2枚入れるのかなど考えての決断でした」と説明。そして、長谷川唯と谷川が右サイドから崩す攻撃モードにして、ゴールをこじ開けてみせた。
「長谷川選手がプレスを掛けられるように前にして、攻撃のパワーもまだ持っていました。また、谷川選手は体の強さと展開力があり、ミドルシュートももちろん武器としてあります。その武器を出して、得点につなげてくれました」
指揮官はそのように期待に応えた谷川を評価していた。
「いい準備をしてきてくれたからこそ、出た結果だと思います。ここから続いていくので、また次に向けて準備してほしいです。
得点に絡んでくれましたが、まだ成長しなければいけない部分もあります。そういった部分も考えながら戦っていければと思います」
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こうした国際大会はチームを突き上げる存在の出現が、メダル獲得の条件にもなる。ニューヒロイン登場――その才能の片りんを見せた谷川が、日本を再び“(本気で)世界一”へと引き上げるキーパーソンになる。