【鹿島】ACLへの特別な想い。内田篤人は二度繰り返して答えた
鹿島アントラーズの内田篤人。写真:上岸卓史/(C)Takashi UEGISHI
中立地マカオを台風直撃。今日、天津権健と第2戦、内田は先発か。
[ACL 準々決勝②] 天津権健 – 鹿島/2018年9月18日/マカオ
大型の台風22号が猛威を振るったマカオの地で、鹿島アントラーズがACLのベスト4進出を目指し、中国の天津権健との第2戦に臨む。ホームでの第1戦を2-0で制しており、鹿島はドローまたは0-1で敗れても勝ち上がれる大きなアドバンテージを得ている。アウェーゴールを奪えれば、さらに優位に立てる状況だ。
今回、天津の会場がACL開催の規定に合わず、さらに同日に国際フォーラムが開催される影響も判明。会場変更は30日前まで可能だが、直前だったため、AFCは中立地での開催を決めた。
ただし、マカオ入りした鹿島の選手たちは台風接近に伴い外出できず、ホテル内のプールやジムで汗を流すなど、想定外の状況に見舞われている。とはいえ、それは天津の選手たちも同様。スタッフを含めて遠征慣れしている鹿島のほうが、様々な面で優位と言えるかもしれない。
第1戦で右サイドバックとしてフル出場した内田篤人はその試合後、「自分の中でもコンディションが上がってきたし、ダッシュやターンができて、一番怖い着地も問題なく、一つ前に進めた感じを掴めた」と自身のコンディションに手応えを掴んでいた。また試合については、「ホーム&アウェーの戦いでは、ホームで絶対に失点してはいけない。それができたのは一つ(収穫)」とノルマは達成できたことを強調していた。
それでもACLを獲りたいというチーム内の雰囲気が、若手の成長を促したりやる気を触発しているのかと聞かれた内田は、「それは終わったときに、結果としてそう言えること。そうしたい(ACLで若手を刺激したい)から、そうしているというわけではない」と、あくまでチームとして”結果”を残すことにこだわっていることを強調していた。
とはいえ、ACLは何より獲りたいタイトルか――。そう尋ねると内田は頷いて言った。
「もちろん。もちろんです」
彼は二度、そう繰り返した。
「浦和やG大阪が獲っているのに、鹿島がまだないなんて残念だから」という、クラブ初のアジアの頂点に立つために。
Jリーグ勢では唯一の勝ち残りである。台風の接近によりまさに波乱含みの様相となっている準々決勝の第2戦、内田の先発起用が予想されている。台風一過のマカオから内田の笑顔とともに、鹿島のベスト4進出の吉報を届けたい。
取材・文:塚越始
text by Hajime TSUKAKOSHI