【浦和】松尾佑介が明かすゴール数増の“秘訣”「練習からみんなで意識を共有できている」
浦和の松尾佑介。写真:石橋俊治/(C)Toshiharu ISHIBASHI
「よりシンプルに味方を使うプレーも含め、仕掛けるところとバランスよくできています」
[J1 14節] 浦和 2–0 東京V/2025年5月3日15:00/埼玉スタジアム
J1リーグ14節、浦和レッズが松尾佑介のカットインからの一撃、さらに渡邊凌磨のミドル弾で、東京ヴェルディに2-0の勝利を収め、9年ぶりのリーグ5連勝で、暫定2位に浮上した。
4-2-3-1の1トップで先発した松尾は開始早々の6分、ドリブルで左サイドをえぐると、そこからカットインし右足を一閃。相手DFに少し触れたことでGKマテウスのタイミングもズレ、先制点となった。これが松尾にとって今季リーグ3得点目に。
松尾は試合後、「朝起きた時からすごく気分が良くって。それが試合に出たと思います」と意表を突く第一声を発した。すると記者から「よく寝られたから?」と聞かれると松尾は「たまにあるんですよね。昨年も鳥栖戦の前、トレーナーさんに『今日は気分がいい』と言ったら、ゴール決められたので」と、目覚めから予感はあったというのだ。
ゴールシーンの話になると、客観的に冷静に振り返る。
「走ってくれた(マテウス)サヴィオに相手選手がつられて、ずらしたことで(ニアではなく)奥のスペースがあって、そこをシュートスポットにするのがいいかなと思いました」
いくつかの選択肢があった。切り返していくなかで、マテウス・サヴィオのフリーランに相手が引き出され……よりよい最善手が見出され、そこを狙った。あのゴールに、松尾の調子の良さが凝縮された、そんな駆け引きがあった。
チアゴ・サンタナの負傷により、松尾がセンターフォワードに起用されたあと、浦和は5連勝を果たした。
「もともと僕はサイドのプレーヤー。前を向けると、(すぐに)より怖いところへ入っていけるのが、ワントップをやる一つのメリット。また、よりシンプルに味方を使うプレーも含め、仕掛けるところとバランスよくできています」
左MFで起用されている時は“ドリブルで仕掛ける”比重が高かったが、CFではワンタッチで周囲を生かしながら、もう一度ゴール前へ入っていくなど、より複数の選択肢ができて、チームメイトと共有するアイデアも増えている。
「相手も対策を取ってきていますが、それでもチームとして点が取れています。味方のために動き、味方のためにプレーする。それが前線の4人で、できている。僕が対策されたら、他の選手にシュートチャンスがありますし、彼らが対策されたら僕がシュートを打てる。そうした良い循環ができています」
直近5試合の得点数は10で、1試合平均2得点。セットプレーからの得点やチャンスも増えている。
松尾はその秘訣について語る。
「練習から『(シュートを)枠に入れよう』と言っています。とりあえず枠に入れていくことが大事。そうして相手ディフェンダーにプレッシャーをかけていくことも大事。実際、枠に入れることで、(2点目の)凌磨のシュートもディフレクションを起こして決まりました。この意識はチームで共有できています」
ホーム5連戦の締めくくりは、いずれも中2日、5月6日にガンバ大阪(ホーム→アウェー)と埼スタで対戦する。強力なアタッカー陣を並べるG大阪を相手に、松尾が再び突破口を切り開く!
関連記事>>【浦和】元日本代表『10番』、強烈FK弾の中島翔哉「新しい蹴り方をチャレンジしていて、それを試せたので良かった」。古巣・東京V戦、惜しくもあと数センチ…
取材協力/佐藤亮太