フットサル元日本代表10番が「家庭の事情」から5か月ぶり戦列復帰!
復帰したバサジィ大分の仁部屋和弘(10番)(C)FUTSALX
バサジィ大分の仁部屋和弘が東京遠征で4分間プレー。
[Fリーグ 1部 15節] 立川・府中 2―1 大分 /2018年9月30日/立川立飛
バサジィ大分のファンのみならず、多くの人がこの男の復帰を待っていた。FP仁部屋和弘。現フットサル女子日本代表の木暮賢一郎監督が現役を退いてから、日本代表の10番を受け継ぎ、世界の猛者をも翻弄してきたFリーグ史上有数のドリブラーだ。
仁部屋は今年4月から家庭の事情により活動を休止していた。プライベートな事情につき、詳細は非公表だが、フットサルのプレーに戻れる状況になったことは確かだ。
仁部屋が復帰を発表したのは9月15日。それまでの約5か月間、「数日間一歩も外に出ないこともあった」と、一般人よりも運動量の少ない生活もしていたという。18日から練習を再開し、リーグ登録完了直後、伊藤雅範監督から遠征メンバーに選ばれたのは、本人にとっても驚きだったという。
プレーイングタイムは4分間。持ち味のドリブルを仕掛けた回数、シュートを放った回数はゼロ。プレーオフ出場争いの真っただ中のチームで、これまでのように違いを出せる明確な戦力になるには、まだ時間がかかるだろう。
それでも、それが早まるほど、大分はプレーオフに近づく。伊藤監督も、その圧倒的な個の力に期待しているがゆえに、今回のように実戦を経験させながらコンディションを上げさせる選択をした。
仁部屋は「(伊藤監督に)相当、ケツを叩かれていますよ」と苦笑したが、「でも、ちょうどいいかもしれない」と話す。大分の10番が本来の輝きを取り戻したとき、ここまで上位をキープしてきたチームは、本当にプレーオフを狙えるチームとなるはずだ。
FP仁部屋和弘選手の以下、立川・府中戦後のコメントは次の通り。
――久しぶりのFリーグはいかがでしたか?
楽しめるほど、余裕がありませんでした。まだ自分の気持ちがよく分かりません。ただ、新鮮というか、2回目のデビュー戦のような感覚がありました。19歳でデビューしたとき、こういう感覚でプレーしていたなと、今日最初に出たときに思いました。
――フットサルからは完全に離れていたのですか?
そうですね。チームの結果は気にしていましたし、勝っていることは嬉しかったです。ただ試合の映像を見ることを含め、結果以外のことはほとんど分からなかったので。先々週から合流して、そこからチームがどういう雰囲気かを感じることができました。それで今日の試合…という流れですね。
――いきなりベンチ入りしたのにはビックリしました。
僕が一番ビックリしました(笑)。伊藤さんに「(アウェーの遠征に)行くぞ」と言ってもらえて、まず一番はビックリしました。やはり僕が入ることでメンバー外になる選手もいるという気持ちをもって、行くからには何かしらチームのプラスにならないといけないと思っていました。試合に出ないだろうというのはありましたけど…。
――残念ながら1-2で敗れ、結果が出ませんでした。
やはり悔しいです、すごく。今後、この悔しい気持ちを糧にできるなというのもあるので、ここから徐々に、ケガはしないように、また良いプレーをできるようにしていきたいなと思います。
――今まで長期にわたる負傷もありませんでした。感覚的にどれくらいで戻せるっていうのは、つかめていますか?
見当がつきません。でも、監督も言っているのですが、体より気持ちのほうが戦えないとなというのが、すごくあります。体は二の次かなと思っています。
――気持ちの問題ですか?
常にチームが勝つために……。練習からですが、僕が入ることで強度を落としてはいけないですし、そのためには気持ちを常に毎日試合というくらい強く持っていきたいと思っています。それをやっていけば、体も徐々に付いてくるのかなと思いますし、体を一番に考えるよりは、気持ちからですね。
――周囲からの期待は大きいですからね。頑張ってください。
いやいや、徐々にいきますよ(笑)。
――伊藤監督なら上げてくれるでしょうからね。
はい。相当、ケツ叩かれていますよ。「バシーン」「ブヒーン」って(笑)。でも、ちょうどいいかもしれないですね。頑張ります!
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