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【ドイツ発コラム│FC BayernとMunichに恋して vol.7】オクトーバーフェストと菅原由勢、ただし“主役”は…

ブレーメンの菅原由勢。(C)Midori IKENOUCHI

普段はバイエルンの選手を中心に撮影している私ですが、対戦チームに日本人選手がいるとテンションが上がります。

 ミュンヘンの街が世界最大のビール祭り『オクトーバーフェスト』一色に染まるこの季節、その最中にブンデスリーガのFCバイエルン・ミュンヘン 対 ヴェルダー・ブレーメンの試合がアリアンツ・アレーナで行われました。

 アリアンツ・アレーナもオクトーバーフェスト仕様に彩られ、地元の楽隊の皆さんが、バイエルンとブレーメン側、それぞれに演奏をプレゼントして、ドイツ北部からはるばる訪れたゲストを歓迎していました。

 この日のバイエルンの選手はドイツの民族衣装を意識した特別ユニフォームでプレー登場。華やかに試合がスタートしました。

 普段はバイエルンの選手を中心に撮影している私ですが、対戦チームに日本人選手がいるとテンションが上がります。ブレーメンに所属するGK長田澪(Mio BACKHAUS)選手と今季新加入したDF菅原由勢選手が所属しています。二人の活躍も楽しみにスタジアムへ向かいました。

 長田選手はケガのため欠場に。菅原選手はスタメン出場とあり、ウォームアップを撮影にピッチへ向かいました。7万5千人で埋まる巨大スタジアムに菅原選手はちょっぴり緊張気味に見えました。

 試合開始から菅原選手はバイエルンに新たに加わったFWルイス・ディアス選手とマッチアップしていましたが、なかなか一筋縄ではいきません。バイエルンを牽制するかのように両手を広げて精一杯アピールする姿を何度も見掛け、何度か得点のチャンスもありましたが、王者バイエルンを相手に思うようなプレーを出せず苦しみました。

 バイエルンはヨシュア・キミッヒ選手らをローテーションしつつも快勝を収めました。エースストライカーのハリー・ケイン選手はブンデスリーガ104試合目にして、早くも100得点を達成しています。この日も2ゴールを決めて、主役=千両役者ぶりを見せ付けて、超満員の観衆から喝采を受けていました。

 試合後の公式記者会見では、バイエルンのヴァンサン・コンパニ監督と56歳にして初めてブンデスリーガ1部を率いているブレーメンのホルスト・ステフェン監督が揃って登壇。するとコンパニ監督はまさに自身の1年前と似たシチュエーションであり、「就任から数か月でチーム全体のこと、選手全員を完璧に理解するのは難しい。いま必死にチームのために学んでいる最中で、彼を酷評するのは違うと思います」と熱く語り、ますますコンパニ監督のファンになりました。

 ブンデスリーガへやってきた菅原選手のこれからの成長を同じドイツ住民としても見守りたいと思います。伊藤洋輝選手も怪我から復帰してきており、来年、このアリアンツ・アレーナで彼らの対戦を観られる日を楽しみにしています。

【SAKANOWAコラム│FC BayernとMunichに恋して vol.1】モータースポーツからサッカーの世界へ足を踏み入れた1年目、魅了され続けて迎えた街

text and photos by Midori IKENOUCHI