【東京V】決勝弾のブラジル人FWからGK上福元へ「次もアシスト頼むよ!」
東京Vのドウグラス・ヴィエイラ。写真:徳原隆元/(C)Takamoto TOKUHARA
「最後のチャンスだと思った」アディショナルタイムの90+6分にねじ込む。
[J1参入PO 2回戦] 横浜FC 0-1 東京V/2018年12月2日/ニッパツ三ツ沢球技場
J1参入プレーオフの2回戦東京ヴェルディ対横浜FC、後半アディショナルタイムに突入していた90+6分、殊勲のゴールを決めたのは東京Vのドウグラス・ヴィエイラだった。
両チームともに失点だけはしないように慎重に試合を進め、局面で激しい潰し合いが展開された。ただ試合終盤、引き分けでも次戦に進める横浜FCはプレーをできるだけ止めて時間を掛けるなど、やや受け身に回る。
梶川諒太、レアンドロ、ドウグラス・ヴィエイラを投入した東京Vは攻勢を強めるものの、なかなかゴールまで近づけない。迎えた90+6分、敵陣で掴んだ右CKのチャンス。佐藤優平のキックに、攻め上がっていたGK上福元直人が飛び込みヘディングシュート。これを横浜FCのGK南雄大に弾かれたが、ファーサイドから詰めたドウグラス・ヴィエイラが右足のつま先で押し込み、ついに均衡を破った。そして、これが決勝点となった。
スタンドでサポーターにもみくちゃにされたブラジル人ストライカーは胸を張って言った。
「シーズン積み重ねてきたものが勝利につながった。そのことが何より嬉しいよ」
コーナーキックは「最後のチャンスだと思っていた。ただ、可能性がある限り、ペナルティエリアの中でゴールできるように集中していた」。ファーサイドのポスト付近にいることで、”何か”が起きたときに詰められるようにしていたという。
もちろん上福元のダイビングヘッドがアシストになるとは思ってもみなかった。
「(上福元へ)次の試合もアシストして(笑)。ただ、あのシーンで分かることは、チーム全員のゴールへの執着が一つになったということ。だからこそ生まれた。カミ(上福元)が上がってきたことを含め、チーム全員の想いがあって生まれた。本当に嬉しいよ」
そのようにゴールの背景には、東京V全員の想いがあったと強調した。
「もう1試合難しい試合がある。一丸となって戦ってきたチーム状態はとても良い。必ず私たちの目標であるJ1昇格に向けて良い準備をして、最後の大きな試合、選手にとって素晴らしい環境のなかでゲームできることを楽しみにしているので、必ず勝つよ」
チーム最多今季J2・13ゴールを決めていた。最終節を前に負傷したため、この日、ようやくベンチ入りを果たした。本人にとっても9月23日のFC岐阜戦(△1-1)以来となる久々の一撃となり、喜びもひとしおだ。
強い追い風に乗って東京Vがヤマハスタジアムに乗り込む。
文:サカノワ編集グループ