イニエスタが「いいね」。ジーコが鹿島のレアル完敗に「死を恐れて家を出ない人のよう」
鹿島の今季テクニカルディレクターを務めたジーコ。写真:上岸卓史/(C)Takashi UEGISHI
負けることへの恐怖は、勝利への意欲を削ぎ取る。
[クラブW杯 準決勝] 鹿島 1-3 R・マドリー/2018年12月19日/ザイード スポーツ シティ(UAE)
クラブワールドカップ準決勝で鹿島アントラーズがレアル・マドリーに敗れたあと、鹿島のジーコ・テクニカルディレクターが自身のSNSのインスタグラム(アカウントは )を更新して、悔しさをぶつけた。
時間が経つにつれて力の差を見せつけられて、完敗を喫した。しかし――勝機はあったのではないか。むしろ、そのチャンスを一瞬の隙から逃したのではないか。
ジーコの悔しさと怒りと、そして選手とサポーターを発奮させようとする想いが伝わる書き込みとなっている。
「鹿島は歴史を作る絶好の機会を逃した。レアルは3年間王者に君臨してきたが、今日は全く違う王者の姿を見せていた。
私たちは勝てるのだと信じ抜くことができず、相手をリスペクトしすぎた。得点するチャンスを逃し、逆にミスから2点を決められてしまった。
私は1977年のフラメンゴ時代に学んだことを思い出している。そこで考えたことは、今も変わらず揺るぎない信念になっている。
負けることへの恐怖は、勝利への意欲を削ぎ取る。死を恐れる人が家から出ないのと同じように。
次の試合(3位決定戦)で今シーズンの良いフィニッシュを飾れるように。さあ、いい準備をしよう」
この投稿には、バルセロナFCからヴィッセル神戸に移籍したアンドレス・イニエスタをはじめ、さっそく9000人以上が「いいね」を押している。
これこそが、鹿島に息づく「ジーコ・スピリッツ」でもある。立ち上がりの相手は地に足がついておらず、決定的なチャンスを作り出せた。それを逃すうちにリズムが悪くなった。このレベルの相手に対して一瞬の隙を与えたことで、たちまち傷口は広がっていった。
だが、試合終盤、1点は返したものの、諦めてしまったのではないか? 勝負はその時点で決してしまう。スタンド観戦していたジーコはそんな想いが試合中に感じられたことに、何より悔しさを感じていたようだ。
文:サカノワ編集グループ