西大伍が自戒し警鐘を鳴らす。「あまりそこは言ってこなかったが…」
鹿島の西大伍。写真:徳原隆元/(C)Takamoto TOKUHARA
安部に続き、山本が全治3、4か月の重傷。重たい雰囲気を一変したい。
鹿島がFC東京に逆転負けを喫し、3試合勝ち星なしで13位まで順位を落とした。
山本脩斗の負傷退場により(左ヒザ後十字靭帯損傷で全治3、4か月と診断)、開始6分に左サイドバックに投入された西大伍は、今季リーグ最長84分間プレーした。
しかし、体で当たりに行きながら室屋成に弾き返され、そのまま先制点につながるクロスを放たれてしまった。それまで鹿島が良い展開を続けていただけに30歳のサイドバックは試合を壊してしまったと責任を感じ、「みんなは頑張っていましたし、今日は全部僕の責任です」と肩を落とした。
ボールは支配していた。後半は敵陣で試合を進める時間も長かった。しかし試合をコントロールしていたのはFC東京。「効果的なボールの持ち方ではなかった」と、相手の急所や嫌がるところを突くパスはほとんどない。脅威を与えるプレーは限られた。そして自戒し、そしてあえて警鐘を鳴らした。
「あまりこう気持ちとか、そういうことは言ってこなかったんですけれど、今はそういう部分が大事になると思っています」
札幌、湘南、FC東京に星を落とした。悪くない内容だが勝てなかった試合が続いていたが、このFC東京戦は「力負け」だった。勝利=ゴールからの逆算ができていない、と感じている。
「(札幌戦の前半からは改善が見られたが?)もうちょっとできるかなと思います。それが勝ちにつながっていないので、良いかどうかは分からないです」と西は言っていたが、他選手も同じような反応を示していた。
ただ、安部裕葵が第二腰椎横突起骨折(全治約1か月)から3日後に山本の負傷離脱も発表されるなど、ケガ人が相次いでいる。そのなかで、西は昨年12月に受けた右ヒザの手術から復活を遂げた。このチームの苦境を打開するためには、西の躍動したプレーが不可欠になる。いきなりそんな役割を求めるのは酷かもしれないが、彼ならば一つのキッカケで、このチーム全体を覆う重たい雰囲気を変えられるはずだ。
取材・文:塚越始
text by Hajime TSUKAKOSHI