Jを代表するレフティへ。天野純の決意「F・マリノスの象徴と言われるぐらいの選手に」
2019シーズン始動日、ランニングする横浜FMの天野純。(C)SAKANOWA
2019シーズンへ始動「本当に質の高い選手が加わり楽しみでもある」。
MF天野純が横浜F・マリノスで6年目のシーズンを迎える。1月10日の始動日は時間をかけてピッチをランニングし、体に刺激を与えながら汗を流した。
このオフはヨーロッパに渡り、マンチェスター・シティ、バルセロナの試合を現地で観戦する機会を得た。横浜FMと提携するシティ・フットボール・グループからは歓待も受けたという。フットボーラーとして血が改めて騒いだ、貴重な時間を過ごすことができた。
一方、チームは、中澤佑二、中町公祐、山中亮輔、伊藤翔、ウーゴ・ヴィエイラら多くのベテランや中心選手が退団していった。初日を終えたあと、天野はメンバーが大幅に入れ替わった陣容について次のように語った。
「佑二さんがいないグラウンドは考えられないから、物足りなさを感じました。F・マリノスに貢献してきてくれた経験ある選手が抜けてしまい、今年も間違いなく難しいシーズンになります。ただ、下馬評が低いほうがやりやすい。新たに本当に質の高い選手が加わってきてくれたと思いますし、そういった意味で、楽しみなシーズンでもあります」
2019シーズンは、クラブのターニングポイントを迎えると同時に、アンジェ・ポステコグルー監督のもと、アトラクティブなスタイルはより熟成させるタームにも突入する。
「積み上げてきたアタッキングフットボールが2年目になり、Jリーグを見ている人たちをあっと驚かせるような開幕を迎えたいと思います」
そして彼は自らに言い聞かせるように決意を示した。
「寂しさはもちろんありますが、でも、そうも言っていられない。これから自分がF・マリノスの象徴と言われるぐらいの選手になっていきたいです」
昨季は充実もしていたが、その分、悔しさも噛み締めた。日本代表デビューを果たし、再びそのステージに立ちたい気持ちも増すばかり。リーグ戦は乱高下が激しいなかでスタイルを貫いてJ1残留を果たしたが、2018年元日の天皇杯に続いて、ルヴァンカップ決勝でも涙をのんだ。
ただ、鹿島アントラーズの内田篤人から「俊さん(中村俊輔)のようだった」と絶賛されたように、その左足のキックを代名詞に、キャリアで最も「天野純」「アマジュン」の名前が知れ渡った1年となった。2019年、チームを一段階押し上げるためにも、昨年のキャリア最多となる公式戦7ゴール(リーグ5得点、ルヴァンカップ2得点)を、さらに上回る成績が期待される。
多くの人がその左足のキックに魅了される日を心待ちにしている。
取材・文:塚越始
text by Hajime TSUKAKOSHI