【浦和】右か左かではなく「森脇のサイド」。指揮官の信頼を掴む
浦和レッズの森脇良太。写真:上岸卓史/(C)Takashi UEGISHI
今季初先発で起点として機能。松本戦で先発起用へ。
[J1 3節] 松本 – 浦和/2019年3月9日/サンプロアルウィン
浦和レッズのDF森脇良太が3月6日のアジアチャンピオンズリーグ(ACL)のグループステージ1節ブリーラム・ユナイテッド戦で右ストッパーとして先発フル出場し、起点役として躍動。中盤の選手をフォローしながら、数多くのクサビのパスを放って、チャンスの芽を作り出した。
ブリーラム戦後、森脇は次のように語った。
「後ろからの持ち運び、ビルドアップ、組み立てがどれほど重要かは僕自身も理解しています。ここ3試合、上手くいっていた部分もあったけれど、もう少し後ろからのビルドアップのクオリティを上げられればと思って見ていました。後ろのみならず前の選手を含め、チーム全体が生き物のように動かなければ、ビルドアップは成立しません。そのへんが足りないかなと感じていました」
その課題解決へ、ピッチに立ってさっそく体現してみせた。相手とのマッチアップでは一歩も引かず、ボール奪取からすぐ攻撃のスイッチを入れて、少しでも高い位置から、ウイングバックと中盤にもパスを出せるポジションをとる。ポジション的に主導権を握ることで(ブリーラムの選手が飛び込めない位置取り)、相手へのプレッシャーも強めた。
「試合前から周りをしっかりサポートしていこう、ハードワークしていこうと、みんなにも伝えていました。それが上手くいったことは良かったと思います。後ろが安定することで、前へ良い配球することもできます。良い配球があればこそ、前線のコンビネーションも生まれます。今日は良い相乗効果が生まれたと思います」
オズワルド・オリヴェイラ監督は試合後の記者会見で森脇について、次のように語った。
「(左右のバランスについて)左か右かではなく、森脇のサイドと言った方がいいかもしれません。相手チームのスカウティングをして、左サイドは宇賀神と槙野に戻して安定させ、右サイドは起点になれる森脇を入れて、橋岡をその隣に入れました。森脇はボールの扱いが上手いので、サイドチェンジしながら、スペースを見つけていこうとしました」
その期待に応えて、森脇の右ストッパー起用が、さまざまな効果をもたらした。32歳のDFが復活への一歩を踏み出した。
松本戦でも引き続き先発起用されることが発表された。岩波拓也がリベロに入ることになりそうだ。
取材・文:塚越始
text by Hajime TSUKAKOSHI