福岡で同僚だった邦本とのACL対決。鹿島の金森は「情けない」と悔しさを滲ませた
ACL慶南FC戦でフル出場した鹿島の金森健志。写真:早草紀子/(C)Noriko HAYAKUSA
アウェーで初ゴール。勢いを買われて先発抜擢され90分フル出場したものの無得点。
[J1 9節] 横浜FM – 鹿島/2019年4月28日13:00/日産スタジアム
4月24日のアジアチャンピオンズリーグ(ACL)グルーステージ4節のホームでの慶南FC戦、FW金森健志は先発に抜擢されてフル出場を果たした。しかし、ゴールを奪うことができず、チームも0-1で敗れた。
4月9日のアウェーゲームでは90+1分に劇的同点ゴールを決め、その後の大逆転劇につなげた。自身にとってのACL初ゴールでもあった。その相性も買われての今回の起用となった。
「全体的にミスが多く、一つひとつの細かいパスミスで攻撃につながらなかった部分が多く、そこはチーム全体の課題です。ゴール前まで行かないと、やはり点は決められない。ゴールまでの形をもっともっと増やしていきたいです」
相手も対策を立ててきて、金森のスペースを消してきた。ただそれでも、「(慶南のDFは)前を向いた時は強かったです。だから、その後ろをもっと突ければ良かったかなと思います」と、責任を感じていた。
そしてカシマサッカースタジアムで、アビスパ福岡で同僚でもあった邦本宜裕との対決が実現した。その邦本にゴールを決められての敗戦となってしまった……。
「悔しいです。でも……そんな個人的なことよりも、今日は負けたことが、ただ情けないです。絶対に勝たなければいけなかった。そういった気持ちの面でも、相手のほうがあった。全員で球際で削るぐらいの気持ちでやらないと、勝てないと感じました」
そのように鹿島で3シーズン目を迎える25歳のアタッカーは、悔しさを滲ませた。
負傷者が相次ぐなか、ここからも連戦が続く。前線に関しては、調子の良い選手が起用されてきている。
むしろ、この慶南戦で出た反省点をすぐ実戦に生かすぐらいのメンタルのタフさであり、対応力や柔軟性も求められる。金森にとっても、次に訪れるチャンスをものにできるかどうかは、チームにとっても、彼個人にとっても、分岐点になりうる(もちろん今回もビッグチャンスだったが)。
「切り替えて臨みたいです」
金森は短い言葉に決意を込めた。今季リーグ初ゴールも――そろそろ生まれるはずだ。
取材・文:塚越始
text by Hajime TSUKAKOSHI