八面六臂の活躍。浦和の「右ストッパー問題」は岩波拓也で解決か!

浦和レッズの岩波拓也。写真:上岸卓史/(C)Takashi UEGISHI

数的同数の守備で冷静に対応、キックを使い分け起点に。最近のリーグ7戦中5試合で先発。

[J1 18節] 浦和 1-0 仙台/2019年7月6日/埼玉スタジアム2〇〇2

 浦和レッズのDF岩波拓也がベガルタ仙台戦、静かに大きな存在感を放った。

 その象徴と言えたのが、42分の先制点の場面だった。カウンターのピンチに身を挺したブロックでクロスを跳ね返すと、その流れから武藤雄樹への縦パスを放って、スルーパスを受けた興梠慎三の決勝ゴールが生まれた。まさに八面六臂の活躍ぶりだった。

 森脇良太が長く主力を務めてきた3バックの右ストッパーだが、彼の負傷による長期離脱もあり、新たなタレントの台頭が期待されてきた。そのなかで、ようやく2年目の岩波が”持ち味”をチームに還元できるようになってきた感じだ。最近のリーグ7試合5試合で先発し、レギュラーと言える座を掴みつつある。

 対面する相手へのマッチアップはアジアレベルでもほとんど負けることなく安定感がある。最近は数的同数でもクールに防ぎ切る粘り強さを勝負どころで発揮している。

 また、ここで先に触られると危うい! というポストプレーヤーとの空中戦でも、打点の高いヘディングでピンチの芽を摘んでみせている。そして長短のキックを使い分けて、ボール奪ったあとは「守」から「攻」へ起点になる。その精度も試合を重ねるごとに上がっている。

 ハイラインを保つ際、後方へのスピードがやや物足りないところを、どのように周囲との連携で克服するかが、チームとしての課題になるか。

 以前の岩波のプレーはどこか、これでいいのかな、と試行錯誤していた感があった。が、アジアチャンピオズリーグ(ACL)などの激戦を経て、堂々とした立ち居振る舞いで、チームを力強く支える存在になってきた印象だ。

「(仙台は)遅れて、遅れてプレスに来ていたので、(その間隙を突いて)上手く崩せるシーンが出てきました。相手の退場者が出たのでそこからは優位に進められました」

 そして得点シーンについて、次のように振り返る。

「久しぶりに武藤くんとあのような縦関係を築けて、いいパスからのいいターンを出して、良い時の二人の関係を思い出すようなプレーができました。武藤くんの技術の高さと、(興梠)慎三さんのシュートの巧さによって決めてくれました」

『1-0=ウノゼロ』の勝利。岩波はそれによって自信をさらに深めていた。

「1-0はセンターバックにとっては一番良い結果。もう少しゴールを奪いたかったけれど、失点ゼロに抑える最低限の仕事はできました。(次節はアウェーでの横浜F・マリノス戦)ホームでマリノスにはやられたので(●0-3)、借りを返せるように、しっかり戦います。(順位も)上に向かってまだまだ行けると思っているので、一戦ずつ大切に戦いたいと思います」

 25歳の岩波の放つ言葉からも力強さが感じられる。まだまだチームとともに、より高みへと突き抜けていける。希望を抱かせるタレントの一人だ。

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[取材・文:塚越始]
text by Hajime TSUKAKOSHI

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