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スペイン紙のレアル久保建英評「マロン=茶色」、一体どういう意味?

久保建英。写真:徳原隆元/(C)Takamoto TOKUHARA

ロドリゴとともに1-6からの起用にやや同情的。

[ICC]  レアル・マドリード 3-7 アトレティコ・マドリード/現地2019年7月26日(日本時間7月27日)/メットライフ・スタジアム

 レアル・マドリードが「インターナショナル・チャンピオンズ・カップ」(ICC)最終第3戦、アトレティコ・マドリードに3-7の大敗を喫した。この結果を受けて、スペイン各紙はさまざまな観点から検証している。そのなかでスポーツ紙『アス』電子版は全員の寸評を掲載。久保建英をはじめ、次のような評価をしていた。

 ナチョは「いつものナチョではなかった、まるで別の人のようだった」、セルヒオ・ラモスは「とても悪かった。彼の夏は、(6月の)結婚式以外は記憶されていない」、マルセロは「彼のディフェンスの仕方は到底受け入れられない」など、かなり手厳しい寸評が続いている。

 そのなかで、久保は約30分間のプレーと、出場時間が短かったこともあり一言だけ触れられていた。

「今回この日本人選手はほとんどボールに触れることができず、マロン(=茶色)だった。まったく成す術がなかった」

「マロン=茶色」とは、他人が引き受けたがらない面倒な仕事、一人では到底打開できる状況ではない『災難』のような意味。今回で言えば、途中出場から面倒な仕事(が回ってきた)、というニュアンスだ。

 スペイン語辞書『AVANZADO』によると、第1次大戦の際、難しい任務に向かう兵士への報酬として「マロン・グラッセ」が贈られていた。当初はみんな喜んで食べていたが、それは死をも伴う危険なミッションに向かうことを意味するのだと次第に気付いていった――。それが「マロン」という表現として、今なお残っているそうだ。

 また、久保と同じ62分から途中出場したロドリゴには、「彼は(負傷離脱した)アセンシオに代わる候補者ですが、1-6から投入されて、ダービーはテストにならなかった」と書かれている。

 やはり先発した主力組には、かなり辛辣なコメントが続いた。一方、久保やロドリゴら途中出場組には、この段階で本気で向かってきたアトレティコ・マドリードがテストの相手になったのだろうかと、ジネディーヌ・ジダン監督の起用法に疑問を呈している。

 もちろん、そのなかでこそ、強烈なインパクトを残したかった。久保はゴールにつながる強烈なミドルを放った一方、失点につながるミスパスと守備の弱さも見せてしまい、一つ課題も示された形だ。

 このあとはミュンヘンでのアウディカップ(現地7月30日にトッテナム・ホットスパー戦、31日にバイエルンかフェネルバフチェと連戦に)、さらにオーストリアでのRBザルツブルク戦とプレシーズンマッチが続く。果たして久保にチャンスはあるのか!?  「マロン」ではない状況での仕事が回ってくるか!? 

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[文:サカノワ編集グループ]

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