【女子W杯】日本サッカー協会が2023年の招致撤退を決定。豪州&NZ共催支持へ
2020年3月シービリーブスカップのイングランド代表戦に臨んだなでしこジャパンのスターティングメンバー。写真:早草紀子/(C)Noriko HAYAKUSA
コロンビアを含めた最終3候補に残り、最終決定は25日だったが…。
日本サッカー協会(JFA)は6月22日、2023年の女子ワールドカップ(W杯)の招致活動を断念すると発表した。同日の臨時理事会で活動からの撤退を決議した。オーストラリア&ニュージーランド、コロンビアとの最終3候補に絞られ、25日に開催地が最終決定する予定だった。日本サッカー協会はステイトメントで、次のように説明。オーストラリア&ニュージーランドの共催を支持する考えを示している。
「6月10日に国際サッカー連盟(FIFA)より公表された評価報告書(Evaluation Report)では、日本の提案やサッカーを取り巻く環境を高く評価していただいたと考えています。
一方で、オーストラリア/ニュージーランドが日本を上回る評価を得たことも冷静に判断する必要があります。
投票で同票だった場合には評価報告書のポイントで決定されるなど、客観的な評価も大きな要素になります。コロ ンビアやオーストラリア/ニュージーランドは、女子も含めた年齢制限のない FIFA 大会の開催を経験していません。もし、南米や南半球初のFIFA 女子ワールドカップとなれば、普及という観点でも非常に大きなアドバンテージとなります。このようなことを総合して考え、投票直前というタイミングであらゆることを分析すると、今回の招致レースにおける日本の状況は決して楽観視できるものではなく、さらに厳しい状況になっていると言わざるを得ません。
今回予想される 結果を冷静に見極めながら、今後、長期的な視点で日本のプレゼンスをいかに高めていくか、世界の女子サッカーをリ ードし、日本としてどのように世界に貢献をしていくのかを含め、戦略的に考え、実行していかなければなりません」
そのうえで、「今回、日本が招致から撤退することによってアジアの連帯を強固にし、アジア/オセアニア地域への招致の確率を高めることもアジアサッカーへの貢献であると考えます。最終的にオーストラリア/ニュージーランドが開催地に決まった場合、時差や環境面においても日本にとってなんら負担や支障になることはなく、同大会で優勝を目指すなでしこジャパンへの大きなサポートにもつながるはずです」と、AFC内となるオーストラリア&ニュージーランド共催を支持する考えを示唆。ただし、田嶋幸三会長は無記名投票になるため、「投票先は明かせない」と語った。
立候補の「意思表明書」を提出していたのは、日本をはじめ、アルゼンチン、オーストラリア、ボリビア、コロンビア、ブラジル、韓国(北朝鮮との共同開催を検討)、ニュージーランド、南アフリカ。このほど新型コロナウイルスの財政的負担の増加によりブラジルが立候補を断念し、発表された3つの最終候補では、オーストラリアとニュージーランドの共催が1位の評価を得ていた。日本は2位。またブラジルの断念により、「南米票」がコロンビアに一本化されていた。
日本は田嶋幸三会長が今年2月から3月にかけても、欧州・米国で招致活動を展開するなど積極的にアピールを続けてきた。
【FIFA 女子ワールドカップ 2023 招致活動に関するスケジュール】
2019年
3月15日まで 「意思表明書」をFIFAに提出
3月18日 FIFAが招致登録ならびに概要書類を意思表明国に送付
4月16日まで 大会招致意思の再確認、招致登録書をFIFAに提出
4月18日 FIFAが招致及び開催に関する書類を招致登録国に送付
10月4日まで 招致及び開催に関する最終書類、開催合意書などをFIFAへ提出
2020年
6月 FIFAカウンシルにおいて開催国を指名(当初は3月予定)
▼歴史▼
1991年に中国で第1回「FIFA女子世界選手権」が開催され、2003年大会から「FIFA女子ワールドカップ」に名称を変更。今年6月7日から7月7日まで第8回となるフランス大会が開催される。2023年大会は第9回大会。日本女子代表(なでしこジャパン)はアジア代表として、第1回大会から連続して出場。2011年に初優勝、2015年には準優勝を果たしている。昨年のフランス大会は、グルーステージ2位、ベスト16の成績を収めた。
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[文:サカノワ編集グループ]