【Jリーグ】10クラブが債務超過。収益ランキング1位は横浜FM、2位浦和、3位川崎。前期100億円超え神戸は…
写真:早草紀子/(C)Noriko HAYAKUSA
コロナ禍、単年度の赤字は約6割の34クラブ。責任企業の有無も影響。
Jリーグは5月28日、2020年度のクラブ経営情報を開示した。3月決算の柏レイソル、湘南ベルマーレ、ジュビロ磐田を除く53クラブの決算の概要が発表され、コロナ禍での厳しい経営状況が数字となって表れた。一方、サポーターやファン、スポンサーの支えによって、現状では「経営の継続(資金繰り)が困難に陥っているクラブはない」ということだ。
単年度の赤字は約6割にあたる34クラブだった。また、債務超過には約2割の10クラブが陥った。昨年10月時点の見通しでは、赤字が全体の約8割、債務超過が約4割と見込まれたものの、各クラブの損益改善によりその割合は減少した。
クラブライセンス制度に関わる財務基準は、2020・2021年度についてコロナ禍の「特例措置」を継続。そのあとの2年を猶予期間にして、2024年度に元の基準に戻す(特例措置なし)予定。しかし「2021年度もコロナの状況・外部環境に大きな変化があった場合には、期間の延長を考える」としている。
赤字と債務超過だったクラブは以下の通り(いずれも略称)。
◎赤字
札幌、仙台、鹿島、浦和、 FC東京、川崎、名古屋、 G大阪、C大阪、広島、鳥栖、 大分、山形、水戸、千葉、東京V、 甲府、金沢、岡山、山口、福岡、 長崎、琉球、岩手、秋田、YS横浜、 相模原、長野、藤枝、沼津、 鳥取、讃岐、熊本、鹿児島
◎債務超過
仙台、C大阪、鳥栖、東京V、 山口、福岡、秋田、YS横浜、 長野、鳥取
また、新型コロナウイルスの影響で超厳戒態勢でのリモートマッチや厳戒態勢で入場者数が制限されたことで、入場料収入が前年度と比較し約6割減となった。それに伴い、試合関連経費やチーム運営経費が減少しているものの、チーム人件費は微減だった。
スポンサー収入は前年度と比較し約1割の減少に留まった。
コロナ禍のなか、責任企業による補填の有無も大きく影響している。
営業収益では、1位が横浜F・マリノス58億6400万円、2位が浦和レッズ57億7100万円、3位が川崎フロンターレ54億4500万円、4位が名古屋グランパス52億3600万円、5位が鹿島アントラーズ47億9700万円だった。前期Jクラブ史上初の100億円超えを記録したヴィッセル神戸は6位で、67億2600万円減の47億1400万円だった。
J1クラブの2020年度、営業収益のランキングは次の通り。
◎収益ランキングの見方
順位 クラブ
2019年度 2020年度
前年比(+=プラス ▲=マイナス)
※単位:百万円
1 横浜FM
5,884 5,864
▲20
2 浦和
8,218 5,771
▲2,447
3 川崎
6,969 5,445
▲1,524
4 名古屋
6,912 5,236
▲1,676
5 鹿島
6,768 4,797
▲1,971
6 神戸
11,440 4,714
▲6,726
7 FC東京
5,635 4,588
▲1,047 7
8 清水
4,291 4,545
+254
9 G大阪
5,513 4,491
▲1,022
10 広島
3,737 3,209
▲528
11 札幌
3,599 3,096
▲503
12 C大阪
3,786 2,915
▲871
13 横浜FC
1,841 2,165
+325
14 仙台
2,711 1,997
▲714
15 大分
1,866 1,756
▲110
16 鳥栖
2,561 1,649
▲912
合計
81,731 62,238
▲19,492
※湘南ベルマーレと柏レイソルは3月決算のため7月に開示。
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[文:サカノワ編集グループ]