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「完璧」「自作自演」「24人での優勝」横山、山下、熊谷が喜びを語る。なでしこアジア杯連覇!

オーストラリアとの決勝、GK山下杏也加がPKストップ!写真:早草紀子/(C)Noriko HAYAKUSA

来年のW杯、再来年の東京五輪へ。「まだスタート地点に立ったばかり」と高倉監督。

  なでしこジャパン(日本女子代表)は立ち上がりから耐える展開が続いた。15分、自陣のミスが重なってPKを与えるが、これを山下杏也加がストップ! 絶体絶命のピンチを凌いだ。

 するとその後、徐々に相手のスペースを突いて、宇津木瑠美、長谷川唯が惜しいシュートを放つ。

 後半に入り、一進一退の攻防が続くなか、84分、長谷川のドリブル突破からのパスを受けた横山久美がペナルティエリア内に入ったところで、相手DF3人を引き付けてかわして右足を振り抜く。シュートは強烈な弾丸と化して、ゴールネットを突き刺した。これが決勝点となり日本が1-0の勝利を収め、アジアカップ連覇を果たした。来年フランスで開催されるFIFAワールドカップ・フランス大会のアジア予選を兼ねていて、日本は8大会連続の出場を決めている。

 オーストラリアは素晴らしいチームで、攻め込まれる時間が長かったですが、みんなが本当によく頑張って体を張って、ワンチャンスをものにしてくれました。

 高倉麻子監督は「粘り強く守備ができたことが大きく、一人ひとりの想いが結果に結びついたと思います。まだスタート地点に立ったばかり。まだまだ成長して、世界に挑戦したい」と語った。

 会心の決勝弾を突き刺した横山は次のように喜んだ。

「前回の中国戦でゴールを決めてみんな喜んでくれましたけれど、次が大事だと思っていたので、2試合連続でゴールを決められて本当に良かったと思います。(長谷川)唯がいいドリブルで相手をかわしてくれて、相手と相手の間のスペースを取れていたので、ターンも折り返しもすごく完璧でした。先輩たちは世界一を取っているので、アジア一ではなく、自分たちも世界一位を目指していきます」

 PKストップで貢献したGK山下は「(ファンブルもあり)自作自演。そのあとはサッカーを楽しもうと思って気軽にできました。ワールドカップに向けて、チーム全員で戦って、勝ちたいと思います」と笑った。

 また主将の熊谷紗季は「 試合を重ねるごとに成長できた。耐えたら前がやってくれると思っていました。前半はGKのファインセーブで助けてくれて、久美が決めてくれた。(途中離脱した)(中里)優を含めた24人チーム全員で一つの方向に向かっていけた。ただこのままではワールドカップは戦えない。これからが大切で個人、チームでもレベルアップしたい」と、気持ちを引き締めていた。

文:サカノワ編集グループ