徳島サポーター再び問題行動。「湘南ありがとう」とオリベイラに捧げる涙のセレモニー中に連呼
写真:早草紀子/(C)Noriko HAYAKUSA
山口智監督のスピーチ中、声を詰まらせた時に――。
[J1 37節] 湘南 0-1 徳島/2021年11月27日14:00/レモンガススタジアム平塚
徳島ヴォルティスのサポーターがまたも、アウェーゲームで問題行動を起こした。今度はレモンガススタジアム平塚での湘南ベルマーレ戦、試合後の今季リーグ最終戦セレモニーでのことだ。
キャプテンの岡本拓也に続いて、山口智監督がチームを代表してあいさつ。23日にオリベイラが急逝するという現実と向き合ってこの日を迎えた選手たちに、もう一度力と勇気を与えてほしいと訴えた。全員がオリベイラへの祈りを捧げるTシャツを着て、涙に暮れた。
山口監督は関係者とファン・サポーターへの感謝に続き、次のように言った。
「今日は負けてしまいましたが、今週……(23秒間、言葉に詰まる)衝撃的な出来事が起こり、難しい状況でした」
スタジアムにいる全員が、涙を浮かべる指揮官の言葉に耳を傾けて静まり返る。
すると徳島のサポーターと見られる人物が「湘南ありがとう。湘南バイバーイ」、さらにもう一度「湘南ありがとう」とスタジアム全体に響くように言い放っているのだ。DAZNでも確認できる。
そのあと山口監督は次のように続けた。
「でも選手は前向きに毎日の練習に取り組んできましたが、結果につなげられず、悔しい結果に終わりました。残留も決まっていません。今日はいいプレーを見せられませんでした。しかし、選手たちはしっかりやってくれました。今日だけは許してやってください」
「あと一つ大事な試合が残っています。いい準備をして、アウェー(12月4日、ガンバ大阪戦)ですが、湘南らしい、やってきたことを出せる試合にしたいです。あと少し、サポートをお願いします」
指揮官はそのように呼びかけた。
あまりに品のない声によって、湘南にとって大切なセレモニーが傷つけられる形となった。
また、大声を出しての応援、ブーイング、ヤジは飛沫防止の観点から、「Jリーグ新型コロナウイルス感染症対応ガイドライン」で禁止されている。しかも徳島のサポーターは1週間前、20日に味の素スタジアムで行われたC東京戦でも、複数人がスタジアムに響くほどの明らかなブーイングをして問題を起こしていた。
クラブは公式サイトで、「一部の徳島ヴォルティスサポーターによる『Jリーグ新型コロナウイルス感染症ガイドライン』により禁止されている『声を出す応援(チャント、ブーイング)』がありました。当該行為に対する当日のクラブ(徳島ヴォルティス)の対応も不十分であり、味の素スタジアムでご観戦された皆さまをはじめ、FC東京のファン・サポーターの皆さまに不快な思いをさせましたことを心よりお詫び申し上げます」と謝罪していた。
しかし、具体的な対策などは講じず。結果的に、この日再び、マナー違反であり、ルールを逸脱する行為につながったと言える。
もちろん基本的にはほぼ全ての徳島のサポーターが、チームの力になって支えている。ただ連勝を収めてクラブ初のJ1残留への機運も高まる最終節のサンフレッチェ広島戦を前に、ほんのわずかな人によって、クラブが築いてきたプライドや価値が毀損される事態に陥っている。
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[文:サカノワ編集グループ]