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ボルシアMG入り福田師王が心掛ける「毎日ゴミ拾い」。マスクは怖いのでちょっと…。神村学園のエース、青森山田から1得点・1アシスト│高校サッカー選手権

神村学園の福田師王。写真:上岸卓史/(C)Takashi UEGISHI

強気なストライカー、謙虚さを養おうと高校3年間欠かさず実践。「もっと特徴を出して、得点を奪っていきたい」

[全国高校サッカー選手権 準々決勝] 神村学園 2-1 青森山田 /2023年1月4日14:10/等々力陸上競技場

 全国高校サッカー選手権準々決勝、神村学園(鹿児島)のエースストライカー福田師王が逆転ゴールを決めるなど、前回優勝の青森山田(青森)を相手に1得点・1アシストと活躍し、2-1の逆転勝利を収めた。神村学園は16年ぶり二度目のベスト4進出を果たした。

 先制されたとはいえ、神村学園も決定機につながるチャンスを作れていた。そのチームを最前線から牽引していたのが、ボルシア・メンヒェングラードバッハ(セカンドチーム)入りの内定したFW福田だった。

 56分、セレッソ大阪入りが内定している大迫塁のロングフィードを福田がしっかりコントロールして落とし、西丸道人の同点ゴールをアシスト。さらに60分、カウンターから西丸のシュートが相手に当たったところ、福田がねじ込んで逆転に成功。1得点・1アシストの活躍で、チームを国立の舞台である準決勝に導いた。

「自分が勝たせる気持ちでやっていたので、それが自分のゴールで勝利につながり嬉しく思います。(逆転弾は?)狙っていたゴールでしたし、最後まであきらめないことが良かったです」

 まさにエースの証明だ。福田は試合後、そのようにゴールと勝利を喜んだ。

 その福田だが、高校3年間、実践してきたのが1日1回のゴミ拾いだ。神村学園中学から高校に進んだが“生意気”で、有村圭一郎監督らと話し合うなか、運を味方につけるためにも日々のちょっとした謙虚さが必要だと感じ、「1日1回ゴミ拾い」を行う習慣を身に付けていったという。

「(ここ数日間は)絶対にゴールを決めると思って、行動してきました。ゴミ拾いでは、より見つけるようになっていましたね。(ゴミ拾いは)高校に入ってから続けています。人として変わりなさい、と有村先生をはじめ、いろんな人から言われてきました。まだまだ、人間性が悪いので……。良くしていかないと、サッカーも比例して伸びていきませんから」

 その精神は大会中であっても常に忘れず。「マスクはちょっと怖いですが。昨日はアメのゴミが落ちていました」と回収したという。

 そんな“視野の広さ”が、この日の“こぼれてきた”泥臭いゴールにもつながったと言えた。

 元日本代表の岡田武史監督が強調していた言葉が「勝負は細部に宿る」。習慣にしている何気ない行いが、ふとピッチに現れる、あるいは運を引き寄せる力にもつながると唱えていた。実際サッカーはチームスポーツ。誰かが誰かを助け、あるいは引き上げて成り立つだけに、それもまた“実力”になり得る要素の一つとも言える。

「勝てたことは自信につながります。もっと特徴を出して、得点を奪っていきたいです。相手より1点多く、勝利につなげたいです」

 一方で、まだ得点王も諦めていない。だからこそ1ゴールでも多く――貪欲に狙っていく覚悟だ。

 ちなみにゴール後のエムバペポーズは、敗れた昌平の荒井悠太と連絡した際に約束していたという。

 神村学園は1月7日の準決勝第1試合、12時5分から国立競技場で岡山学芸館と対戦する。

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