【日本女子代表】レフティ遠藤純が“3バックの呪縛”から解き放たれる。なでしこ、カナダ戦で会心のゴールを突き刺す
遠藤純が決めた!写真:早草紀子/(C)Noriko HAYAKUSA
「前回の欧州遠征で消極的なプレーが多かったので、すごく反省して、この大会では『積極的に』と臨みました」
[シービリーブスカップ] カナダ女子代表 0–3 日本女子代表/2023年2月22日15:00(日本時間23日6:00)/トヨタ・スタジアム
「She Believes Cup 2023」最終第3戦、日本女子代表(なでしこジャパン)が、清家貴子、長谷川唯、遠藤純のゴールで、東京五輪金メダルのカナダ女子代表に3-0の勝利を収めた。日本は1勝2敗(3得点・2失点)で、3連勝のアメリカ女子代表に続く2位で大会を終えた。
3-4-2-1の左ウイングバックで先発した遠藤は、2-0で迎えた77分、左サイドでスルーパスを受けるとそのまま持ち上がり、GKとの1対1に持ち込み、ニアに鋭いショットを突き刺してみせた。
3バックの新布陣。遠藤がその呪縛から解き放たれたゴールにもなった。
「3バックでは(左サイドの)自分が下がり、右が上がるというケースが多く、消極的なプレーが多くなっていました。それを前回のヨーロッパ遠征ですごく反省しました。だから、この大会では積極的にいこうと自分に言い聞かせて、そこを出せて結果も残せて良かったです」
2022シーズンからアメリカに渡り、エンジェル・シティーFCでプレーする。その経験も生きたと実感する。
「アメリカでプレーしながら自信もつき、体格面など少しずつ慣れてきました。今回、カナダのプレスは分析できていて、その情報を生かして積極的にボックス内まで行き、ゴールを決めきることにつながりました」
遠藤であり、チームにとって、まさにウイングが羽ばたいた――そんな価値ある1点となった。
「チャンスを生かせたのは良かったですが、その前にけっこうバテていたところがあったので(笑)。もう少し頑張りたいです」
「(アメリカでの2シーズン目へ)昨年はアシストはありましたが1得点だけでした。今回の大会を通じて自信を得られたので、それを新しいシーズンで生かしていきたいです」
思案する表情を見せることの多かった遠藤だが、優しい笑顔を浮かべた。今年5月で23歳になるスケールの大きなレフティが、与えられた難しいタスクをこなし、彼女自身、そしてなでしこジャパンに、大きな希望をもたらす“前向き”な一撃を結実させた。
[写真・取材協力:早草紀子]