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【鹿島1-2川崎】荒木遼太郎『疑惑のハンド』、「明白な間違い」には該当せず主審の判定が支持される

荒木遼太郎。写真:早草紀子/(C)Noriko HAYAKUSA

知念慶の渾身弾も…数的不利のフロンターレに89分から2失点で逆転負け。

[J1 2節] 鹿島 1-2 川崎/2023年2月25日16:00/カシマサッカースタジアム

 J1リーグ鹿島アントラーズは知念慶の古巣からのゴールで川崎フロンターレに先制したものの、山村和也の退場処分で83分から数的優位に立ちながら89分から2失点し、まさかの逆転負けを喫した。

 1-1で迎えた後半アディショナルタイム、10人になりながらも攻め立てるアウェーチームの橘田健人のシュートが無人のゴールへ。そこにカバーに入っていた荒木遼太郎が左肩を突き出してブロックに成功。しかし、主審は荒木のハンドのファウルで、川崎にPKを与えた。加えてDOGSOで荒木にレッドカードを提示した。

 もちろん、ここでVAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)のチェックが入る。

 VTRを見ると、荒木は広げた左腕を後方へ下げて、突き出した肩にボールを当てている。ただ、その上腕(脇の下より先の腕の部分)の一部に、わずかでもボールが触れていれば「ハンド」になる。一方、脇の下より肩寄りの部位が、サッカーでは「肩」に該当すると規定され、そこにボールが当たればハンドにならない。

 一連の動きから見ると、腕に当たっているようにも感じる。しかしVTRで詳しく確認すると、荒木がギリギリのところで肩に当ててクリアしているように見える。

 しかし、ハンドのファウルは、審判の主観も関わってくる(微妙なところでは人によって判定も変わってくる)ファウルの一つ。VARは主審が下したジャッジについて、介入条件の一つである「明白な間違い」とは言えないため、そのハンドの判定を支持したことになる。

 つまりグレーゾーン。もしも主審が「ノーハンド」と判断していた場合、VARもそれを支持していた可能性がある。

 そのあと家長昭博のPKをGK早川友基が完璧にストップ。しかしキッカーが蹴る前に、早川がゴールラインより前へ出ていたとしてやり直しに。結局、家長にそのキックを決められ、これが川崎の逆転ゴールとなった。

 川崎は数的不利から執念の逆転勝利で今季初勝利に。一方、鹿島はホーム開幕戦を落として連勝を逃した。

◆参照◆「VARの役割」:日本サッカー協会(JFA)公式サイトより

 あくまでもフィールド上の審判員をサポートするため。最良の判定を見つけるのではなく、「はっきりとした明白な間違い」をなくすためのシステム。

 ほとんど全ての人が「その判定は明らかに間違っている」という事象に限り、VARが介入する。

 判定についてVARが介入するのは
・「得点かどうか」
・「PKかどうか」
・「退場かどうか」
・「警告・退場の人間違い」
この4事象のみ。そのうえで
「はっきりとした明白な間違い」もしくは「見逃された重大な事象」があった場合となる。

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