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【鹿島】土居聖真が明かした“痛み”と向き合う日々。内田篤人ら先輩の背中を見てきて…

鹿島の土居聖真。(C)KASHIMA ANTLERS

「先輩たちはそういったケガを見せずにやってきた。でも……休むのも大事だと思いました。また伸び伸びイキイキとやっているところを、皆さんに見せていきたい」

[J1 10節] 鹿島 4-0 G大阪/2023年4月29日19:00/カシマサッカースタジアム

 J1リーグ10節、鹿島アントラーズが怒涛の4ゴールでガンバ大阪に4-0と大勝し、リーグ戦のホームでは昨年8月以来、そして今季初の連勝を収めた。

 この試合で4月9日の柏レイソル戦で負傷交代していた土居聖真が3試合ぶりに復帰し、途中出場からいずれも鮮やかな2ゴールを決めてみせた。

 土居は試合後、リハビリ期間にメディカルスタッフとも少し衝突があったとも明かし、ただしそういった日々があってこそ復活に至れたと周囲のサポートに改めて感謝していた。

 鹿島の8番は5月1日にオンライン取材に応じて、改めてその「ケガ」と「痛み」向き合う(今も続いている)日々について明かした。

「ケガを持ちながら昨年は結構プレーしていて、今年もまだ残ってはいますが、具合はシンプルにだいぶ良くなり、考えていることと体が一致してきたと感じて動けています。そこが一番大きく変わったところ。

 痛みと一緒にプレーしていた感じがあって、昨年はそれが苦しかったです。それでもやれないことはないと言いますか、我慢してもできるところがあって、やり続けた結果、自分が思い描いているのと異なる安パイなプレーばかりで、もどかしさと悔しさとストレスがすごくありました」

 そして、むしろ毎日接している人ほど、その我慢が“気付かれない”というジレンマも生じていたという。

「それが今シーズンなくなってきました。ただ、一番よく見てくている人からは分からない……。(痛みが再発すると)メディカルのスタッフから『本当に痛いのか』と言われるぐらい、やれてしまうもので。それが良いのか悪いのか分からなかったです。

 先輩たちはそういったケガを見せずやってきました。僕も休むとは簡単に言いたくなかった。でも……、休むのも大事だと思いました。また伸び伸びイキイキとやっているところを、皆さんに見せていきたいです」

 土居のケガはデリケートで、今後も“付き合っていく”形になる。

「(内田)篤人さんもそうでしたが、痛みを見せず、言い訳にしてはいけないと思い、昨シーズンはあまり言わず続けていました。知らないチームメイトも結構いました。それを言い訳にして『俺、調子悪いんだ』って言うのはちょっと違うと。休まずにやると決めたからには、言えないと思って、なかなか口に出せずにいました」

 そして天皇杯で敗れて無冠が決定的になった昨年10月、「休みます」と伝えて、クラブからも正式に離脱に関するプレスリリースが発表された。

「痛みが強いほどプレーに支障が出るものですが、これだけ痛みがあってもこんなにできるんだ、とも知れました。休むのは大事かなと思いつつ、休んでいたらそこで成長が終わってしまうとも思っていて、気持ち的には半々。ただハイパフォーマンスに近づけるには、休むのも大事だと、今年痛みがなくなって思いました。去年痛い時はそうは考えられなかったです」

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 そのように“痛み”と向き合うなか、心情が大きく揺れ動いた日々について振り返った。

 それにしても鮮やかだったG大阪戦での2ゴールだった。土居とアントラーズがここから上昇気流に乗っていく。

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