「監視下で動いていた」佐藤寿人が示すゴールへの道筋。名古屋14試合未勝利
名古屋で2シーズン目を迎える佐藤寿人。写真:早草紀子/(C)Noriko HAYAKUSA
W杯中断明けの浦和戦、ラスト10分間出場。待望される一撃。
[J1 16節] 浦和 3-1 名古屋/2018年7月18日/埼玉スタジアム
FIFAワールドカップ(W杯)ロシア大会による中断明け、名古屋グランパスは浦和レッズに一時同点に追いついたものの、後半に力尽きて1-3で敗れた。これでリーグ戦は2節のジュビロ磐田戦以来14試合未勝利。最下位脱出への足掛かりとなる勝点を掴めなかった。
試合のラスト10分間に出場したFW佐藤寿人は、次のように失点シーンの課題を挙げていた。
「失点につながったセットプレーの原因は、自分たちのボールになっていたとき、そこからのミスで与えたこと。ボールを持っているときにどうするか。そのマネジメントをしっかりしていかないといけない」
一方、名古屋の風間八宏監督は「自分たちの姿が戻ってきた」と手応えも得ていた。佐藤も「間違いなく手応えのあるゲームだと思うが、やらないといけないことも多いと感じた。決してネガティブではなく、収穫もあった。しっかり結果に変えていかないといけない」と、ここからは「結果=勝点」も大切だと語った。
「自分たちがボールを持って押し込んでいるとき、相手の監視下で動いていた。もっとピッチを広く使い、相手に隙間(スペース)を作らせる動きをやらないといけない。ここからは最低限でも勝点1を積み上げることが、絶対に必要なこと。ゼロでは次につながっていかない。その積み重ねによって、最後の最後に結果が変わってくる。そういう意味では、一つのゴールもそうだし、こだわっていかないといけない」
そして佐藤は具体的に改善点を挙げていた。
「やるべきことをしっかり整理したなかでできました。ただスコアは1-3。もっとチャンスを作らなければいけない。ボールを持っていても、具体的な何かを示せなかった。ジョーのところにボールが収まっていたので、そこからどのように危険なシーンを作っていくか。どういう形でシュートシーンを作り出すのか。もっとイメージの共有を作っていかないといけない」
J1歴代2位の通算161ゴールを決めるスナイパーだが、今季はいまだ無得点だ。佐藤に待望の”一撃”が生まれてゴールへの道筋ができたとき、それが名古屋浮上へのサインになる。
取材・文:塚越始
text by Hajime TSUKAKOSHI