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浦和サポーター暴徒化問題、日本サッカー協会の『厳罰必至』か。「JFAの映像提供で暴力行為確認」、一人は過去違反者と発覚

浦和レッズのサポーター。写真:上岸卓史/(C)Takashi UEGISHI

自浄能力が改善されなければ…。

 J1リーグ浦和レッズは8月16日、2日にCSアセット港サッカー場で行われた天皇杯4回戦の名古屋グランパス戦(●0-3)の試合後、浦和サポーター団体の約100人がピッチに侵入し、そのうちの一部が相手サポーター席に乱入して威嚇などした暴徒化問題で第2報を発表し、「暴力行為があった」と認めた。

 クラブは次のように違反行為を報告している。

▼違反行為
暴力行為(警備員を押し倒したり、相手サポーターの胸倉を掴むなどの行為) :12件

威嚇行為(相手ゴール裏付近で罵声を浴びせたり、挑発するなどの行為):6件

危険行為(ペットボトルの投げ込みや、相手ゴール裏に侵入するなどの行為):8件

破壊行為(緩衝柵を破壊するなどの行為):12件

その他違反行為(相手サポーターの横断幕を破損させようとする行為):2件

▼行為者数
25人程度
※引き続き調査を継続。行為者数が増減する可能性あり

一人は「過去に暴力行為などの違反行為を理由に入場禁止処分を受けていたことがクラブ内の記録から確認されている」

――・――・――・――

 浦和は違反発覚翌日の3日、ホームゲーム開催が迫っていたため、相手サポーター席への乱入や威嚇行為が問題視されていたなか、「ピッチ侵入」に限定して違反者77人への処分を発表した(31人に9試合入場禁止、45人に厳重注意など)。

 この発表を受けて5日に記者会見した際、浦和の担当者は「暴力行為はなかった」と発言。試合当日の騒動後、日本サッカー協会(JFA)、愛知県サッカー協会、両クラブの関係者もいたなか、この問題を起こしたサポーターと称する代表者と名古屋サポーターの代表の話から「暴力行為は確認されなかった」ということだった。

 つまり、違反行為を起こした『当事者』の発言を受けての発表だったことが分かる。

 しかし10日、JFAがまとめた映像を確認し合い、上記の行為を把握したということだ。

 今回もホームゲーム(18日・名古屋戦)開催が近づいたための「経過報告」となっている。第一報では「77人」への処分と発表したものの、「実際は100人前後で今後調べる」「リスト化はしていない」として、しかも「グループのリーダーとクラブが連携している中で人数を把握している」(記者会見より)となんのための処分なのか曖昧で、クラブとして、まだこの騒動の実態を把握できずにいる。

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 クラブは「先人が紡いできた日本サッカーの歴史に泥を塗る愚行」と今回の事案を受け止めている。しかし問題を起こした「本人の申し出」を待つなど、あくまで「当事者」との関係を重視しながら、解決を試みているのもやや奇妙なシチュエーションだ。結局、いまだにこの問題を起こしたグループに対する指摘もないままである。以前から厳しく指摘されてきたクラブとしての自浄能力が改善されなければ、日本サッカー協会からクラブに対する厳罰は免れないだろう。

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