【日本代表】古橋亨梧への超危険タックル。なぜトルコ代表の選手は「イエローカード」で済んだのか?
トルコ戦で先発し、数多くの決定機を作り出した日本代表の古橋亨梧。(Photo by Frederic Scheidemann/Getty Images)
自動的に退場ではなく警告。「DOGSO」(決定機阻止)の4要件のうち――。
[キリンチャレンジカップ2023] 日本 4-2 トルコ/2023年9月12日21:20(現地14:20)/セゲカ・アレーナ(ベルギー)
サッカー日本代表(SAMURAI BLUE)が伊藤敦樹(浦和レッズ)の初ゴール、中村敬斗の2ゴール、そして伊東純也(いずれもスタッド・ランス)のPK弾でトルコ代表に4-2の勝利を収めた。その試合の前半終了間際、古橋亨梧(セルティックFC)がカウンターから抜け出したが、後方からの危険なタックルを受けた場面があった。なぜ、レッドカートではなくイエローカードだったのか。
日本が3-1とリードして迎えた45+5分、トルコの攻撃を食い止めてカウンターを発動。自陣で伊藤敦からのパスを受けた古橋が持ち前のスピードを生かして、一気に持ち上がり敵陣へ突き進む。
するとハーフウェーラインを越えたあと、サリフ・エズジャン(ボルシア・ドルトムント)が後方からスライディングタックルを仕掛け、ボールへ向かいつつも古橋の足を狙って止めに来た。さすがに危険なプレーで、古橋も怒りを見せる。久保建英(レアル・ソシエダ)らチームメイト、さらに森保一監督も猛抗議をしている。
主審はある意味、自動的にエスジャンに対しイエローカードを提示していた。
なぜレッドカードではなかったのか。これは「DOGSO」(決定機阻止、Denying an Obvious Goal Scoring Opportunity)に規定される「4要件」を満たしていないと判断したためだ。
その4要件とは次の通り。
– ファウルがあった地点とゴールの距離
– プレーが相手ゴールに向かっている
– 守備側の選手の位置と数
– ボールをキープできているか、またはコントロールできる可能性があるか
今回は、古橋の前にDFが一人いて、「守備側の選手の位置と数」の条件を満たしていない。そのためイエローカードになるのだ。逆に、この4要件を満たせば、ファウルの程度に関係なく「DOGSO」でレッドカードになる。
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一方、エズジャンはタックルした際、スパイクの裏を見せて、そのまま右足を振り上げている。この危険な行為に、指揮官も選手も強い怒りをぶつけていたことが分かる。ただ、この試合、VARが採用されていたが、その主審の判定に対して、ここで介入することはなかった。