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【なでしこジャパン】パリ五輪の切符獲得へ『75分間の鳥かご』、その理由とは? ウズベク2-0勝利も、パスを回し続け15分以降シュートなし

なでしこJAPANのキャプテン、熊谷紗希はボランチで奮闘!写真:早草紀子/(C)Noriko HAYAKUSA

オリンピックのアジア枠は『2』。豪州戦回避? そしてB組のライバルにプレッシャーをかけるため。

[パリ五輪アジア2次予選 第2戦] 日本 2-0 ウズベキスタン/2023年10月29日21:00(現地17:00)/Bunyodkor Stadium(ウズベキスタン)

 パリ・オリンピックの女子サッカー・アジア2次予選 第2戦、日本女子代表(なでしこジャパン) が南萌華、千葉玲海菜のゴールでウズベキスタン女子代表に勝利を収めた。日本は2連勝の勝点6でグループ首位。

 日本は15分に千葉がチーム2点目を決めると、その後は無理をしない展開に。ボールを回して時間を使い、ウズベキスタンにプレーをさせない。すると……そのボール保持は選手を交代していった後半も続く。なんと前半15分以降、シュートが1本もないという展開で、そのまま日本が2-0の勝利を収めた。

 あまりに見られない光景だったが、その理由は今大会のやや複雑なレギュレーションにある。

 今回のパリ五輪アジア2次予選は、4チームが3グループに分かれて、各組1位と2位で最も成績の良かった1チームの計4チームが最終予選に進めるレギュレーションになっている。そして最終予選に臨んだ4チームのうち2チームがパリ行きの切符を掴める。

 日本のライバルはオーストラリア、北朝鮮、韓国、中国。いずれも侮れない実力伯仲の相手である。

 そして日本がC組で“一人勝ち”をするのではなく、ウズベキスタン(あるいは最終節で戦うベトナム)が「得失点差の少ない2位」で戦いを終えれば、ライバル勢にプレッシャーを与えられるのだ。しかも今回、B組に北朝鮮、韓国、中国の3か国が集中。もしかすると、そのうち2チームを落とせるのだ。

 ただし、すでに韓国がタイから10ゴールを決めている。この作戦が上手くいくとは限らない。もちろん今回のウズベク戦も、日本が上手くいかなければ失点を喫するリスクもあった。

 日本は前回東京五輪はホスト国枠で出場しているものの、その前のリオデジャネイロ・オリンピックはまさかのアジア予選敗退を喫している。この予選の目的は「パリ五輪の出場権を獲得すること」。その目標達成のため、池田太監督率いるなでしこジャパンは、少しでもその確率を高められる戦いを模索し、この“75分間の鳥かご”を選択した。

 最終予選は4チームが2組に分かれて、来年2月24日・28日にホーム&アウェーで戦い、その勝者が出場権を得る。

 2位チームがどの組になるかで、カードも決まる。

▼グループAの2位が最終予選に進出した場合
◎グループCの1位☆(日本の可能性大) – グループAの1位(オーストラリアの可能性大)、グループAの2位 – グループBの1位(北朝鮮、韓国、中国の可能性)

▼グループBの2位が最終予選に進出した場合
◎グループAの1位 – グループBの1位、グループBの2位(北朝鮮、韓国、中国の可能性) – グループCの1位☆

▼グループCの2位が最終予選に進出した場合
グループBの1位 – グループCの1位☆、グループCの2(ウズベキスタン、ベトナムの可能性) – グループAの1位

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 日本はこのあと2次予選最終戦、日本時間11月1日16時30分からベトナム女子代表と対戦する。

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