×

全日本大学サッカー連盟に、JFA不服申立委員会「正義に反し不当」「組織ガバナンスの見直しが必要」と厳しい指摘。事務所の移転も関係か…

(C)SAKANOWA

北海道教育大学岩見沢校サッカー部のエントリー問題で。

 北海道教育大学岩見沢校サッカー部は3月31日、同サッカー部公式サイトで「総理大臣杯全日本大学サッカートーナメント出場にかかる顛末について」と題したリリースを発表した。

 昨年9月の総理大臣杯全日本大学サッカートーナメントへのエントリーについて「申し込み期日までに必要書類が到着しなかった」として、当初、全日本大学サッカー連盟は大会への参加を認めないと決定した。これを受けて同大サッカー部は日本サッカー協会(JFA)に不服を申し立て、JFA不服申立委員会は、その内容を認めた。

 この結果、全日本大学サッカー連盟のエントリーを認めないという決定が「無効」とされ、北海道教育大岩見沢校は大会に参加することができた。

 この不服申立の決定通知は緊急性に鑑み、8月29日に通知されていた。その後、決定理由の詳細が報告された。

 同大学はこのほど「本件に係る詳細を正確に皆様にお伝えするために、理由書を公開することに致しました」と、この「不服申立委員会の決定」を公開した。

 それによると、大学サッカー連盟は当初、同大学のエントリーを認めなかった理由について、「郵送の連盟への到達が期限から1日遅延したこと」を挙げていた。

 同連盟はエントリー書類について7月26日18時必着と設定していた。しかし同大学は郵便局などに確認し、締め切りまでに届くよう手配して速達便で出していたと主張する。

 そして大学連盟は「17時」終業だったため、そもそも書類の締め切り時間の設定に問題があったとも指摘。26日18時までに建物には届いていた「蓋然性は高い」と不服申立委員会は判断している。大学連盟はJFAとともにトヨタビルに移転したばかりで、「集配作業の混乱」が起こっていた可能性もあると見ている。

 同大サッカー部が「26日12時~18時」必着で送付していたという事実も残っていた。さらに、その後8月に入って連盟事務局と同大サッカー部も、大会に向けて連絡を取り合っていたなか、突然「不参加」が伝えられたそうだ。結局、そのエントリー書類を大学連盟が受理したのは、27日の昼なのか、翌々日の28日だったのかも曖昧だったという。いずれにせよ、「必着」が法的に意味する、トヨタビルに書類が”26日18時までに到着していなかった事実”は認められなかった。

 そうした状況を踏まえ、JFA不服申立委員会は、それにより「参加を停止する」と、同大のエントリーを認めないとする判断には問題があったと指摘。そのような懲罰はどこにも規定されていなかったとも厳しく断罪している。さらに決定権のないものが「エントリーを認めない」と判断を下していたというのだ。

 JFA不服委員会は次のように付言している。

「……(今回の件は)(大学サッカー)連盟が自ら定める規定において処分の根拠も無いものであった。にもかかわらず、連盟は、そのような行為に対して、『本大会への参加を認めない』という方針の内部決定を早々に行い、申立人に対して適切な弁明の機会を付与することなく、申立人の参加資格の剥奪を決定したものであり、これら一連の連盟による決定とその過程は様々な点において、正義に反し、不当である。 当委員会としてもこれを問題視するものであり、処分の決定にかかる手続きを含めた連盟の組織ガバナンスの見直しが必要と考えるものである」

いま読まれている記事>>【浦和レッズ】西野TDが横浜FMに電撃移籍へ。マンC強化責任者ベギリスタインと接点、現役時代レッズのチームメイト

 そのように「正義に反し不当である」「組織ガバナンスの見直しが必要と考える」と、組織自体の問題を指摘。「郵送・時間必着」が象徴するように(それだけが問題ではなく)、慣例・慣習のまま運営し、しかも今回のように排他的な行為が連盟の判断で起こった点を強く問題視している。

Ads

Ads