田中隼磨氏が松本山雅退団の理由を明かす。フロントへの不信拭えず
松本での田中隼磨氏。写真:上岸卓史/(C)Takashi UEGISHI
チームは金沢に1-6大敗。J3リーグ13位で、J2復帰へ危機感強まる。
J3リーグの松本山雅FCのエグゼクティブアドバイザーを昨年12月に辞任し、現役時代から10年携わった故郷のクラブを去った田中隼磨氏が4月8日、自身のエックス(旧ツイッター)(アカウントは(@hayuma_tanaka)を更新。「ご報告」と題した長文のメッセージを発信した。
直近のアウェーでのツエーゲン金沢戦で1-6の大敗を喫し、チームはリーグ13位と上位に踏みとどまれるかどうかの瀬戸際に立たされる。2019シーズンにはJ1の舞台で戦い、松本は日本を代表するサッカーの街の一つになった。ところが、そこから瞬く間の急下降を辿ったまま、上昇気流に乗れずにいる。
そうしたなか田中氏は今でも「なぜ辞めたのか」という問い合わせが多く寄せられることから、今回、その背景を明かしている。
田中氏は退団理由は一つでなかったものの、コーチが「ダメなものダメだ」と発した発言がファン・サポーターへのものだったのか、クラブ内部へのものだったのか、そこでクラブと齟齬が生じたと明かしている。サポーターミーティングでは、クラブ側が、田中氏とクラブの共通認識として伝えられたが、それは田中氏の本意とは異なり、訂正を求めていたそうだ。また、育成組織のコーチも批判したことで、クラブから「退会勧告」を受けて去っていったことも報告されている。
田中氏のエグゼクティブアドバイザーとしての役割は「クラブ運営について専門的な観点からアドバイスをすること」だった。しかし結局、松本山雅として、その意見をどこまで採り入れ、田中氏がクラブ運営にどこまで参画するかなどが曖昧だったことがうかがえる。
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反町康治元監督の復帰を願う松本のファン・サポーターの声も根強い。しかし“反町頼み”だった体制後の課題・問題がどんどん膨らんでいるとも言える。全国の新たなモデルとなっていたはずだが、むしろ、低迷する悪しきパターンから抜け出せずにいる。田中氏の声はどのように響き、松本が復活する日は、果たして来るのだろうか。