プレーの領域を広げる堂安律、それでも苦悩する理由とは? 日本代表『10番』、ヴォルフスブルク戦で決勝点アシスト!
堂安律。写真:早草紀子/(C)Noriko HAYAKUSA
制空権争いで上回り3-2勝利、暫定5位に浮上。
[ブンデス1部 14節]フライブルク 3-2 ヴォルフスブルク/2024年12月14日(現地13日)/オイローパ=パルク・シュタディオン
ドイツ・ブンデスリーガ1部14節、SCフライブルクがVfLヴォルフスブルクに3-2の勝利を収めて、暫定5位に浮上した。フライブルクのサッカー日本代表(SAMURAI BLUE)『10番』堂安律(Ritsu DOAN)は右ウイングで先発出場し、決勝点となるミヒャエル・グレゴリッチュの今季リーグ初ゴールをアシストした。
フライブルクはコーナーキックから2ゴール、そして堂安のアーリークロスから193センチあるグレゴリッチュの高さを生かしての3点目を奪取。ヴォルフスブルク相手に、制空権で上回れると判断し、この日はチームとして『高さ』を活用する戦いを選択。そこに堂安のキック精度とテクニックが絶妙にハマり、3ゴールを奪ったあと2失点を喫してヒヤリとしたものの、逃げ切ってみせた。
堂安はこれで今季リーグ14試合・5得点・3アシスト。11月30日に行われた板倉滉の所属するボルシア・メンヒェングラートバッハ戦(〇3-1)は中央からチームがぶ厚い攻撃を仕掛けたなか、左サイドを突きシュートを決めてみせた。
ヘディング弾あり、アーリークロスあり、ドリブルからの仕掛けあり……堂安はプレーの領域をより広げている。
26歳のレフティは先月の段階では「自分的に数字を残せても、満足した試合はあまりなくて。もちろんそれ(数字)はプロとして大事ですし、僕もそこは意識しています。もっとトップトップのパフォーマンスを見せて、それプラス数字を残していければ、評価されると思います」と語っていた。
つまりシーズン序盤は、目に見える『結果=数字』は残せているものの、納得のいくパフォーマンスを見せられずにいる、と。
「そこの評価の違いは、自分の自分への評価と、周りの自分への評価であり、自分に対しては素直に評価しています。ちょっと違うなと思いながら」
それは自身への評価への基準値が上がっている、という意味でもある。
「(基準値が)上がってきていて、時に『俺こんなこともできるようになったんや』と驚くような試合もあります。成長しているところはあります」
対戦相手やチーム状況、試合展開や時間帯によって、「武器」を使い分ける。それができるようになっているからこそ、日本代表でも10番をつけ、レギュラーの座を再び確保する存在になっていることが分かる。
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むしろスカウティングされれば、それを上回ることを楽しんでいるようでもある。試行しながら新たな領域を広げる堂安が、さらに大きな存在になろうとしている。