4連敗に神戸ポドルスキは危機感「これまではACLが目標と言ってきたが…」
ヴィッセル神戸のルーカス・ポドルスキ。写真:徳原隆元/'(C)Takamoto TOKUHARA
新たなシステムで、引きすぎて持ち味を発揮できず。
[J1 27節] 浦和 4-0 神戸/2018年9月23日/埼玉スタジアム2002
ヴィッセル神戸のキャプテンを務めるルーカス・ポドルスキは3-5-2の左インサイドハーフで先発、試合終盤は4-2-3-1のトップ下に入ってフル出場した。しかしシュート1本に終わり(チームとしても計4本)、0-4と大敗を喫したこともあり試合後は大きく肩を落とした。
「サッカーで起こり得るようなことが起きていった。ミスをすれば失点するし、相手よりたくさんミスをした結果です」
試合後、ポドルスキはそのようにまず語り、林健太郎暫定監督が採用したシステムに話が及ぶと次のように問題の根幹を指摘した。
「負けるとシステムが悪いとか、芝生の長さとか、ボールに空気が入っていないとか、理由を探そうとする。しかし一番大事なのは結果を受け止めること。これまではアジアチャンピオンズリーグ(ACL)を目指すと言ってきたが、気付けば下(J2降格圏)も近づいてきている。上も、下も差が縮まっている。自分たちの位置をしっかり確かめて立て直さなければいけませんね」
一時は暫定4位まで浮上した神戸だが、4連敗を喫して10勝6分11敗の勝点36で9位まで後退。16位の柏レイソル、17位のガンバ大阪が勝点6差まで迫る。
この日はすべて裏目に出た。
ポドルスキを柏木陽介に当てて、浦和の司令塔を守備に回らせる算段だった。ところが浦和にボールを支配され続け、逆にポドルスキが自陣にどんどん下がる展開に。そしてマークが緩くなった柏木をフリーにさせてしまい、浦和の10番から数多くのチャンスを作られた。
ボールに触りたがるポドルスキが最終ライン近くまで下がる――今季の悪いときの神戸、になってしまった。
古橋亨悟投入後に4-2-3-1にしたあとやや修正された。しかしポドルスキのワールドクラスの左足を最大限に生かす流れに最後まで持ち込めなかった。
「次の試合まで1週間ある。どのようなシステムで試合をするにしても、まず何よりチームが一つになることが大切。監督の目指す新しいことを一丸となってやっていくしかない」
フアン・マヌエル・リージョ新監督の就労許可が下りるまで(間もなくか)、吉田孝行前監督からどのように林健太郎暫定監督がつなぐのか。そのあたりもクラブとして、しっかり対応しないと、この悪い流れを断ち切れなくなるかもしれない。さまざまなステージで戦ってきたドイツ代表の元10番は、危機感を募らせている。
取材・文:塚越始
text by Hajime TSUKAKOSHI