「胃が痛い…」高倉麻子監督が苦笑いを浮かべた理由
中国戦後に苦笑いを浮かべた高倉監督。15日の北朝鮮戦に勝ち、日本開催の大会での初タイトル獲得を狙う。写真:徳原隆元/(C)Takamoto TOKUHARA
中国に1-0で勝利を収めたあとの記者会見で、高倉麻子監督の表情は冴えなかった。4-1-4-1システムを採用し、初戦の韓国戦から先発を4人入れ替え。さまざまなトライをしたなかで、「想像していたように、ボールを支配しながら積極的にゴールへ向かっていこうとする部分をほとんど出せなかったと感じている」と厳しい評価を下した。
何より中国のプレッシャーに圧されて、徐々にプレーが消極的になり、ミスを繰り返した点を悔やんだ。「そういったなかで鮫島や阪口は落ち着くをもたらそうとプレーしていたが、経験のない若い選手が多いこともあり、自分たちで首を絞めてしまった」
では、そういったミスの多い選手には何を求めるのか――。その問いに、高倉監督は少し間を置いてから答えた。
「まあ……我慢ですね。今日も胃が痛いです(苦笑)。落ち着いてやれとか、しっかり判断してやれとか、慌てるなとか外から声を掛けても、ゲームをやっているのは本人たち。必死に戦ってくれているが、なかなかそういった負のスパイラルからなかなか抜け出せずにいる。こうしたゲームを繰り返し、映像で自分たちのプレーを振り返るなかで、少し悪くても落ち着いてゲームを運んでいけるようになっていってほしいと思います」
とはいえ、高倉監督からの要求もある。
「ここから学べる選手と学べない選手の差があり、我慢して使っても伸びてこない選手もいる。そのあたりを見切ったり、我慢して使い続けたり、私自身が見極めないといけない。もちろん、どの選手も本人なりにはファイトしてくれている。今日はそこで選手たちが掴み取った勝利だったと思います」
中3日で迎える北朝鮮戦は事実上の優勝決定戦になる。まさに今大会の集大成。なでしこジャパンが高倉監督を中心に、どのように修正し、仕上げてくるのか楽しみにしたい。