【日本女子代表】女子W杯へ前哨戦、ブラジル代表となでしこ腕試し。熊谷紗希が世界制覇した2011年を振り返り「日本の女子サッカーを盛り上げる」
試合前日練習での南萌華。写真:早草紀子/(C)Noriko HAYAKUSA
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[シービリーブスカップ] 日本代表 – ブラジル代表/2023年2月16日16:00(日本時間17日6:00)/オーランド・シティ・スタジアム
今夏のオーストラリア・ニュージーランド女子ワールドカップ(W杯)を控え、日本女子代表(なでしこジャパン)が日本時間17日から、強豪3か国と対戦するアメリカでの「SHE BELIEVES CUP」に挑む。
FIFAランキング11位の日本が、1位のアメリカ、6位カナダ、9位ブラジルと対戦する。昨年11月のスペイン遠征では取り組み始めた3バックを採用し、ヨーロッパチャンピオンのイングランドに●0-4、スペインにも●0-1で敗れた。この連敗でより厳しい現実を突きつけられた選手たちが、今回の3連戦で攻撃の道筋を築くことが求められる。
欧州と米国、そしてWEリーグ組など各国に散らばるなでしこの選手たちが13日、オーランドに集結。全員が揃って練習に時間を割けた14日、ブラジルの予想フォーメーションから連係を確認し、ミニゲームで実践に落とし込んだ。
試合前日のスタジアムでの公式練習後には、池田太監督とキャプテンの熊谷紗季が公式会見に臨んだ。
池田監督は次のように意欲を示した。
「南米チャンピオンであるブラジルのテクニック、組織的なプレー、個人の技術の高いチームに対し、我々が準備してきたことをぶつけていきたい。若い選手の自信や思い切りのいいプレーによるエネルギーもこのチームには必要だと思っていますし、彼女たちのポテンシャルに期待しています」
そしてワールドカップまで5か月と迫ったなか、熊谷は気を引き締める。
「(ワールドカップには)3大会出場してきて、優勝した(2011年大会)時も、5か月前に(強豪に)勝てていたかと言われるとそうではなかった。しかし負けから学んだことが多かったチームでした。もちろん結果にこだわりますが、何を修正できるのか、その修正力が一番問われてくると思います」
2011年のドイツ女子W杯前に行われたのもアメリカ遠征だった。当時もチャンピオンとして君臨していたアメリカに2連敗を喫したが、そこでの経験が本番のW杯で最大限に生かされた。
熊谷は「なでしこジャパンの結果が、日本の女子サッカーにとても大きな影響を与えることは身を持って実感しています。この夏のワールドカップで、もう一度日本の女子サッカーを盛り上げるためにも結果を出さないといけないと思っています」と覚悟を口にした。
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W杯で全てが変わる――。熊谷の言葉には決意が感じられる。この「なでしこの願い」を全ての選手が共有し、まず今回現状を突き抜けていく貪欲さを見せたい。この貴重な3連戦で改めてなでしこの特長を示し、夏の本番につなげたい。
[取材・文・写真:早草紀子]