「来年ヴェルディいるの?」中村俊輔と佐藤優平が交わした気になる会話

J1参入プレーオフ決定戦に臨んだ磐田の中村俊輔(左)と東京V の佐藤優平(右)。写真:徳原隆元/(C)Takamoto TOKUHARA

J1参入プレーオフ決定戦、試合終了直後にピッチ上で…。

 12月8日のヤマハスタジアムでのJ1参入プレーオフ決定戦、ジュビロ磐田が東京ヴェルディに2-0の勝利を収めて、J1残留を決めた試合終了直後だった。

 ピッチ上で磐田の中村俊輔がチームメイトと安堵のハイタッチをしたあと、東京Vの選手たちと握手をかわして健闘をたたえる。

 そして、うなだれる東京Vの佐藤優平のもとに近づいて、そっと言葉をかけて、しばし会話を交わした。

 ふたりに笑顔がこぼれた。

 2013年から2015年途中まで、二人は横浜F・マリノスでチームメイトだった。何より横浜FMの下部組織出身であり、右足のセットプレーのキックを武器とする佐藤にとって、中村は憧れであり目標の存在だった。国士舘大を経てプロになったその新人からの2年半は、掛け替えのない貴重な時間となった。

 ヤマハスタジアムで再会した二人。内容的には、たわいもなくもあり、ごく普通の会話だった。

中村 「来年、ヴェルディにいるの?」

佐藤 「いますよ!」

中村 「ヴェルディもいいサッカーをしていたよ。けど、ジュビロのサッカーにやられたな。どうなんだ、ちょっと調子悪かったんじゃないか?」

 最後は気遣われた。

 佐藤はいろいろな意味で、「まさにその通り」だと思ったという。そんなその短い会話のなかで、いろいろ見抜かれていると感じた。

 アディショナルタイムのわずかな時間だったが、同じピッチに立つ機会に恵まれた。佐藤はその背中を変わらず追いかけ続ける。

「ちょっと(中村が)出てくるのが遅かったですけれどね(笑)。相手の戦術あっての俊輔さんのあの時間での投入だったと思います。また違う機会に、同じピッチに立てればと思います。後輩の自分としてはピッチに一緒にいられることだけでも光栄で、有難いことです」

 次はプレーオフではなく――。大先輩の中村のさりげない言葉が、大目標だったJ1昇格を目の前で逃した佐藤の闘争心を、さっそくくすぐった。

取材・文:塚越始
text by Hajime TSUKAKOSHI

Ads

Ads