先制点を決めた浦和MF宇賀神友弥が全く喜ばなかった理由は?

浦和レッズの宇賀神友弥。写真:徳原隆元/(C)Takamoto TOKUHARA

「そんなに喜べなくて」。一方で、あるオリヴェイラの助言が生きたとも――。

[J1 26節] 横浜FM 1-2 浦和/2018年9月16日/日産スタジアム

 前半終了間際の43分、浦和レッズが左サイドでフリーキックのチャンスを得る。すると武藤雄樹のキックがゴール前のニアサイドに放たれ混戦に。橋岡大樹が競り合い、相手DFに当たったボールはペナルティエリアの外へこぼれる。

 ゴール正面約25メートルの位置。そこで待っていた宇賀神友弥が右足で正確に当ててコントロールショットを打つと、ボールは糸を引くように横浜F・マリノスのゴールネットに吸い込まれた。

「いいシュートが打てたと思います……はい」

 試合後、まず宇賀神は何とも言えない表情でそう切り出した。そして、ゴールシーンでなぜまったく喜ばなかったのか。その理由を語り始めた。

「皆さん試合を見ていて分かると思いますが、自分のサイドからたくさんのチャンスを作られていました。仲川選手に自分がやられている回数も多かった。この『自分がやられてしまっている』というメンタルで、イージーなミスも続く何とも言えない感情で……。だから(ゴールシーン)いろいろ、こう出てこなかった。やられたことしか覚えてなく、そんなにゴールの感触もなく、喜べなかったです」

 宇賀神ははにかむ。まさに無欲の一撃だったと言えた。

 しかし浦和にとっては待望の先制点である。加えて、決して偶然ではなかった。 少し時間が経ったあとで、宇賀神は彼らしく客観的にも振り返っていった。

「一方で、セカンドボールのところはオリヴェイラ監督から、『必ずこぼれてくるから準備していなさい』と非常に厳しく言われてきました。練習の中でも自分だけが残って練習してきて、それが結果として、いい形で残せて良かったです。槙野が『いいブラインドになっただろ』と言っていましたが、そのお陰でもありますね」

 一旦は追いつかれたものの、武藤雄樹も決めて2-1で逃げ切りに成功。4試合ぶりの勝利を収めた。

「とはいえ、いい試合ができたかと言われると、そうとも言えない」と、宇賀神も気を引き締めていた。次節は9月23日のホームでのヴィッセル神戸戦。アンドレス・イニエスタの神戸への加入効果でチケットは完売している。もちろん、満員の埼スタで、負けるわけにはいかない。

取材・文:塚越始
text by Hajime TSUKAKOSHI

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