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山形と痛恨ドロー、松本の反町監督が分岐点に挙げた1プレーとは?2点先取、再リード、PK失敗…

松本山雅FCのFW高崎寛之。写真:徳原隆元/(C)Takamoto TOKUHARA

まるでジェットコースターのような展開。「特に後半、監督の仕事の難しさを痛感」。

[J2 35節] 山形 3-3 松本/2018年9月30日/NDソフトスタジアム山形

 J2首位の松本山雅FCとプレーオフ圏へ望みをつなぐモンテディオ山形の一戦は、松本がリードを奪えば山形が追いつく点の取り合いになり、最後は松本のジネイがPKをGK櫛引政敏に止められ、3-3のドローに終わった。

 前半は松本が立ち上がりから押し込み、石原崇兆のスルーパスから最終ラインの背後を突いた高崎寛之が決めて先制に成功。さらに26分、セルジーニョのコーナーキックに混戦から飯田真輝が合わせて追加点を奪う。

 ところが後半、J2リーグ最少失点の松本の守備が緩む。圧力をかけてきた山形に何度か打破され、CKから栗山直樹にボレー、カウンターから小林成豪にシュートを突き刺されて同点とされる。

 2点リードしながら、後半に2失点。それでも64分、下川陽太のクロスがオウンゴールを呼び込み、再び勝ち越しに成功する。

 これで勝負あったかと思われたが……。それでもアディショナルタイム、パワープレーから再び中山仁斗にヘッドで決められ同点とされてしまう。

 ジェットコースターのような展開のなか、さらにペナルティエリア内でジネイが倒されてPKを獲得。この試合のラストプレー、ジネイ自身が蹴ったものの、GK櫛引に止められてしまう。

 終わってみれば3-3のドロー。松本の反町康治監督は試合後、次のようにある1プレーを分岐点に挙げた。

「後半に入り、どちらが先に点を取るかという展開のなか、ウチのシュートがポストに当たった辺りから、少し向こうに流れが行ってしまった。それを上手く断ち切れなかった。私たちの問題かなと」

 そのように49分、右サイドを攻略したあとに石原がニアサイドを突いて放ったシュートが、ポストを直撃したシーンを悔やんだ。

「前半の流れを考えれば、勝点3を取るべく試合でしたが、特に後半、監督としての仕事の難しさを痛感させられました」

 指揮官はそのようにリードを守り切れなかった点を反省していた。確かに再びリードして迎えた90+3分の失点は、前線の二人が山形の最終ラインにプレスに行かず、フリーでフィードを上げさせてしまった。その時間帯で守備の徹底さを欠いた、松本らしからぬ対応だったと言えた。

「一戦必勝でやっています。勝点1を取ったとポジティブに考えて、次ホームで迎えたい。いろいろと精神的な難しさはあるが、我々は前を向いて、次の試合で勝点3を獲るための準備を進めたい」

 そのように反町監督は、前を向いた。首位には立っているものの、3位のFC町田ゼルビアは2試合消化が少なく、抜かれる可能性もある。そういった心理的な戦いも今後は強まっていく。

 36節は10月6日、ホームで愛媛FCを迎える。

文:サカノワ編集グループ

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