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【日本代表への推薦状】継続か、刺激か。鈴木優磨の大抜擢はあるか。ブラジル代表と対決へ!

鹿島の鈴木優磨。写真:松村唯愛/(C)Yua MATSUMURA

選択肢に加えておく価値は十分ある。10月2日にメンバー発表。

 サッカー日本代表(SAMURAI BLUE)の10月シリーズ(10日パラグアイ代表戦@パナソニックスタジアム吹田、14日ブラジル代表戦@東京スタジアム)に臨むメンバーが10月2日に発表される。

 9月のアメリカ遠征では、北中米ワールドカップ(W杯)のホスト国であるメキシコ代表とスコアレスドロー、アメリカ代表には0-2で敗れ、ゴールを奪えなかった。冨安健洋、伊藤洋輝がケガのリハビリのため長期離脱中で、この遠征では板倉滉、守田英正、田中碧も不在だった。

 彼らが戻れば……という期待はある。とはいえ、北中米W杯アジア最終予選終盤のサウジアラビア代表(0-0)、オーストラリア代表戦(0-1)でもライバル国相手に無得点だった。停滞感は否めない。

 森保一監督はそれでもラージグループから人選する「継続」を選択する可能性が高い。ただし、メンバー固定化の弊害も見受けられるなかで「刺激」を優先するならば――J1首位を走る鹿島アントラーズのエース鈴木優磨の招集を期待したい。

 鈴木の最大の魅力は、チームの勝利のために闘う姿勢を体現できるところにある。

 自らをアピールしたいために、パスのほうがゴールの確率が上がる局面で、ドリブルやシュートを選択する。そんなシーンは、日本代表でも目立つ。それが日本よりランキングで下回るアジアのチーム相手であれば、実際に得点につながるシーンも少なくなかった。

 むしろ森保監督も、そうした個の強さやエゴの発揮を求めてきた。

 ただし、その個の力任せで本当にW杯出場国のトップクラスに通用するのかどうか。最近はカタールW杯では勢いのあった三笘薫や前田大然に、当時ような切れが感じられず、浅野拓磨も爆発力を取り戻せずにいる。むしろ、彼らもスタイルを変えて適応しながら、欧州トップレベルで戦い続けることを模索している。

 だからこそ鈴木のような、勝利のために体を張れるタイプが必要だ。そのスタイルは鹿島の元同僚である上田綺世と共通する。町田修斗の所属先、小川航基の代表でのパフォーマンスを踏まえると、鈴木を選択肢に加えておく価値は十分あるだろう。

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 どんな化学反応が起きるのか。鈴木優磨という“劇薬”を、ここで日本代表に加えるポジティブな要素は多いはず。森保監督はポテンシャル重視で選手選考する傾向にあるが、今こそ求められているのは「結果」を残してきた男ではないだろうか。

Posted by 塚越始