国分太一氏への日テレ『即時降板』、法律的な問題は? 河西弁護士が詳しく解説
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ユーチューブチャンネルにて。今後は「国分さんが対外的に説明できる範囲」の話し合いに絞られるか。
解散したアイドルグループ「TOKIO」元メンバーの国分太一さんが11月26日に謝罪とともに日本弁護士連合会(日弁連)への人権救済申立てを行ったことなどについて記者会見したのを受けて、芸能弁護士の河西邦剛氏が同日にユーチューブ『河西ちゃんねる』で法的ポイントを詳しく解説した。
日本テレビは6月に複数のコンプライアンス違反が確認されたとして『THE! 鉄腕! DASH!!』からの国分さんの即時降板を発表。この発表に伴い、国分さんは無期限の全面的な活動休止を決め、さらにTOKIOは解散する事態となった。
河西氏は今回の記者会見を受けて、「6月の日テレ側の記者会見後、国分さんがすべてを失った。窮地に立たされたことがリアルに伝わってきた」と受け止める。国分さんは会見で、日テレ側とのヒアリングに臨んだあと、急速に事態が進み、社会復帰がまったくできない状況に陥ったことを説明。日テレサイドからはコンプライアンス違反が確認された被害者の特定にあたるなどとして、どのような行為が行われたか、などの説明が一切ない。
逆に国分さんが何をしたのか、という噂だけが広まり、また、日テレ側にも落ち度がなかったのかなどの検証もできない状況にある。
一つポイントになるのが、そのヒアリングの場で即刻「番組降板」が告げられた法的問題について。国分さんは6月のヒアリングの場で、日テレ側がコンプライアンス担当者や弁護士が突然同席したことに驚き戸惑い、録音削除を求められるなど威圧的な印象を受けたといった説明もしていた。
ただし、河西弁護士はその場で番組降板を告げられた点について、「そこに法律上の問題はなかった」と説明した。
そもそも国分さんと日テレの関係は労働契約ではなく、もしあったとしても準委任契約に近いと考えられる。そのため、日テレ側に解雇手続きは求められず、降板理由を説明する法的義務もないと強調した。
「長年タレントをやっていて、まず事務所を通すこと、事前説明すべきではないかというところで、芸能界の慣行上、国分さんはあまりに不意打ち的だったのではないかと言いたかった可能性はあります」
国分さんには当初、プロデューサー変更の説明があるとの話だった。そこに弁護士やコンプライアンス担当者が同席したそうだが、「法的規制があるわけではない」と、専門家の立場で状況を整理している。
一方、国分さんは10月、日弁連に人権救済の申立てを行った。その後、国分さん側は(1)日テレ関係者への謝罪機会、(2)降板理由の開示、(3)国分さんが対外的に説明できる範囲の協議――の3点を要望したが、日テレ側はこれを拒否している。
ただし日テレは「対話の窓口は開いている」との立場を示している。河西氏は「人権救済手続きの最中に日テレが完全に交渉を閉ざすことは得策ではないため」と分析していた。
謝罪の受け入れについては被害者側の意思が最優先となるため、国分さんが望んでも実現するとは限らない。降板理由の開示も日テレ側には義務がない。今後は「説明の範囲」をどこまで協議できるかが焦点になると見ていた。
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いずれにせよ、国分さんは反省の姿勢を示している。一方で今後の社会復帰に向けて、日テレとの協議ルートを再構築したいとの思いが背景にあると見ていた。




