浦和オリヴェイラ監督が古巣からの勝利に「ライバルだが鹿島への負の気持ちは全くない」
浦和レッズのオズワルド・オリヴェイラ監督。(C)SAKANOWA
「一つ私から」と鹿島との関係について切り出す。
[J1 30節] 浦和 3-1 鹿島/2018年10月20日/埼玉スタジアム2002
浦和レッズのオズワルド・オリヴェイラ監督が、リーグ3連覇を果たすなど一時代を築いた鹿島アントラーズとの一戦で勝利を収めた。その試合後の記者会見、浦和の選手たちの変化に関する質問を受けると、「対鹿島」ということで注目されたこともあり、古巣への想いを語った。
「私はレッズからの監督の仕事の話をいただいてから、選手の経歴や特徴を調べて把握したうえで、練習に臨みました。そのなかで武藤、柏木は良くなってきています。全体的に組織プレーができるようになってきました。今日も組織がしっかりとできていたからこそ、武藤の個も生きました。私は組織プレーが強ければ、個人が光るという考えです」
そういったチーム作りのメソッドを明かしたうえで、「一つ私から」と切り出し、鹿島について語った。
「鹿島での5年間、たくさんのタイトルを獲りました。当時レッズとは非常に多くのいい試合をして、ライバルとしての立場が際立っていました。でも私は今日、鹿島のライバルとして試合に臨みました」
そして、あくまで浦和を勝たせる、その情熱を誰よりも持っているだけであり、「対鹿島」に特別な想いがあるわけではないと言った。
「ハッキリさせておきたいのは、私が鹿島で過去に働いてから今日の勝利が特別に嬉しいものであるとは捉えてほしくはありません。鹿島も他のチームと同じ対戦相手です。勝点3に対する喜びも等しいものです」
「今はレッズで仕事をしており、レッズへの情熱、選手への情熱は一番強く持っています。ここで素晴らしいチームを作りタイトルを獲るために、できる限りのことをし続けます。鹿島とのライバル関係があるからといって、鹿島に対する負の気持ちは全くありません。水曜日にACL(アジアチャンピオンズリーグの水原三星との準決勝第2戦)を戦う鹿島のことは一生懸命応援したいと思います。レッズで私は一生懸命仕事をします。このサポーターの前で、レッズのユニフォームを着てプレーする選手は、情熱をもってたくさん走り、いいプレーをしないといけない。そこを私からはっきりさせたいと思いました。これまで世界中の25のクラブで指揮を執ってきましたが、誰かに対する負の気持ちはなく、素晴らしい対戦の記憶だけが残るだけです」
67歳のオズワルド・オリヴェイラ監督はそのように人一倍に熱く語った。過去を否定するのではなく、現在の自分の仕事に誇りを持って情熱を注ぐこと。指揮官の一面が垣間見える言葉だった。
文:サカノワ編集グループ