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名波二世かそれとも…伊藤洋輝が北朝鮮戦の左足ミドルで示した可能性

U-19アジア選手権の北朝鮮戦で、強烈ミドルを決めたU-19日本代表の伊藤洋輝。(C)AFC

磐田、レフティ、ボランチ、7番――。現代サッカーに求められるパワーや運動量も備える。

[U-19アジア選手権] U-19日本代表 – U-19タイ代表/2018年10月22日/パカンサリ(インドネシア)

 日本代表のユニホームを着て、背番号は「7」。左利き、ボランチ、そしてジュビロ磐田所属――。磐田の名波浩監督と重ねてしまうのも無理はない。しかも大舞台で、彼はいきなり大仕事をやってのけた。

 U-19日本代表の伊藤洋輝だ。U-19アジア選手権グループステージでの北朝鮮との初戦、キャプテンマークを巻いて登場し、約30メートルの強烈ミドルを叩き込んで、5-2の日本の勝利に貢献した。

 北朝鮮の攻撃の芽を摘み、ボールを奪えば積極的に前線へ繰り出していく。北朝鮮のアグレッシブな当たりに苦しみながらも中盤の攻防で主導権を握り続けた。

 そのなかで日本の1-0のリードで迎えた19分、藤本寛也→斉藤光毅→伊藤と中盤で相手ぷれすを巧みにかわす。スピードに乗ったまま伊藤が左足を振り抜くと、シュートはまっすぐ伸びて、北朝鮮ゴールに突き刺さった。

 インパクト十分な圧巻の一撃だった。

 それでも伊藤は試合後、「もう少しじっくりと回す、相手が我慢できず出てくるまで待つというところを繰り返しできれば、もう少し前線の選手たちもスペースが空いたなかでプレーできると思います」と反省点を挙げていた。

「1試合1試合、トレーニングから。ピッチの中でも話し合えていたので、そういったところは積みかさねていきたいです」

 名波二世と呼ばれる。その傑出した存在感は確かに共通する点がある。ただ、現代サッカーにふさわしいパワーと運動量を備え、チームの中心となってけん引するというより、先の言葉のように、しっかり支えて、その中で自身も生きようとしている。実際、磐田ではやや引き気味のポジションを取り、3バックの左ストッパーでもプレーしている。

 伊藤洋輝は、伊藤洋輝だと言わんばかりの初戦の活躍ぶりだった。

 すでに高校3年時の昨年5月に磐田ユースからトップチームに昇格し、今季公式戦デビューを果たした。今季これまで公式戦6試合(リーグ1試合、ルヴァンカップ4試合、天皇杯1試合)に出場し、今回がある意味『プロ初ゴール』になった。

 久保建英、田川享介、郷家友太……強烈な個を備えた攻撃陣をけん引しつつ、伊藤が勝利のために、チームを支えながら輝きを放つ。U-19日本代表は明日22日のグループステージ第2戦で、U-19タイ代表と対戦する。

取材・文:塚越始                
text by Hajime TSUKAKOSHI

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