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三木谷会長、日本の高い税負担へ一刀両断「いまスポーツ界の一流は日本に来れない」「例えばサッカーでいえば“ベッカム税”」戦略的な政策を訴える

天皇杯を掲げる三木谷会長。写真:早草紀子/(C)Noriko HAYAKUSA

イタリアでもクリロナを呼ぶため、肖像権を非課税に

 ヴィッセル神戸のオーナー(チェアマン)を務める楽天グループの三木谷浩史会長がこのほど、YouTube「PIVOT」公式チャンネルに出演し、日本の税制、とりわけ高所得者への課税のあり方について自身の見解を語った。話題はスポーツ界、特にサッカー界の選手や指導者の獲得にも及んでいる。

 三木谷氏は、日本の税負担の重さを問題点として挙げ、「いまの日本の税制では、本当の一流は来ない」と率直に課題を指摘した。海外では所得税率が30%前後に抑えられている国が多い一方、日本では最大で50%を超える水準になるとし、「これでは一流のスポーツ選手は日本を選ばない」と語っている。

 具体例として触れたのが、サッカー界で知られる「ベッカム税」だ。デビッド・ベッカムがレアル・マドリードに移籍した当時、スペインでは外国人トップ人材を対象に、一定期間、所得税率を低く抑える制度が導入されていたという。「ベッカム一人のためではなく、世界から一流を呼ぶための制度だった」と説明した。

 さらに三木谷氏は、イタリアの税制にも言及。近年、肖像権収入を非課税とする仕組みが整えられ、それが選手の移籍判断に影響を与えているとしたうえで、「クリスチアーノ・ロナウドがレアル・マドリードからユベントスに移籍した背景にも、そうした制度がある」と例を挙げた。

 一方で日本については、「ぶん取れるところからぶん取るという考え方になっている。ロジックが曲がっている」「戦略性がない」と厳しく指摘。クラブ経営の現実にも触れ、「(海外から来る選手・監督からすれば)ネットでいくらもえるかという話。年俸2億円の選手を獲ろうとすると、税金まで含めて実質4億円以上の負担になる」と述べ、獲得コストの大きさを問題視した。

 その結果として、選手やエンジニアをはじめ「日本は超一流を呼べない状況になっている」と現状を語った。

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 三木谷氏の発言は、日本のスポーツ界が直面する構造的な課題を、税制という観点から浮き彫りにしている。